ぬくもり2 (ページ17)

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あの日のこと4 ページ17

大介side

俺もちょっとね、感じることあるのよ、たまにね。

照とか涼太ほどじゃないんだけど、空気って言うか。

でも今日はAとソラくんの力？ではっきり見える。

．

A「・・・これ、ソラと私とお父さん。」

そう言ってAが取り出したのは、

どこかの遊園地で撮られた写真。

3人ともとってもいい笑顔で・・・

今まで大変な思いしかしてこなかったと思ってたけど、

少しだけでもこういうひと時もあったんだなぁって…

A「ここ行ったのが、1年生になるちょっと前…

帰りに、でん、しゃ・・・の、たの…」

辰「A、ゆっくりお話しして？

大丈夫、ね？(撫)」

過去を思い出したのか、呼吸が怪しくなり始めたAを辰哉が抱き寄せる。

A「ん、だい、じょーぶ…」

辰「うん、ゆっくりね。」

ソラくんもAの手に手を重ねてる。

A「電車ぶつかったの。

ソラとお父さんが、私のこと守ってくれて、っだから…」

照「うんうん、ソラくんとお父さんのおかげだね。

A、生きててくれてありがとう。(撫)」

照の言葉をきっかけに、

全員がありがとうを伝えた。

大切な写真を見つめて、どんどん溢れてくる涙。

俺たちはずっと寄り添った。

途中からお父さんらしい人も来て、何度も俺たちに頭を下げてた。

声は届かなくても、

「Aをよろしく。」ってお父さんの気持ちは全員に伝わったと思う。

．

A「・・・ひ、くん…」

照「ん？」

A「ソラが・・・会いに行くって…

夢なら、はな、せる……」

きっと、ソラくんからの言葉を伝えてくれたんだろうね。

Aは、そのまま意識を手放した。