ひーくんとお出かけ5 ページ12
照side
車に戻っても、Aは不思議そうな、困惑したような顔で俺を見る。
少し整理したほうがよさそうだ。
照「A、おいで?」
A「…ん。」
後部座席で向かい合ってAを膝に乗せる。
照「Aが今思ってること教えて?」
A「・・・お金、Aの服、ひーくんの、お金を…」
Aは心の仲がぐちゃぐちゃになればなるほど、
言葉の組み立てが少し難しくなることがある。
そして、一人称が変わる。
それは今、A自身がAであるっていう証拠なんだけど。
一生懸命に伝えようとしてくれるし、
俺らもちゃんとわかるようになってきた。
照「うん、びっくりしたんだね。
Aは、服を買う時は自分でお金払ってたの?」
A「・・・買わないよ…」
照「え?」
A「ないよ、服。好きな、やつ…」
そうか…
A「…でも、買う時は自分でって…」
照「葉山さんが?」
A「ううん、べんきょ、したの…」
自分は経験したことはないけれど、
ほしいものは自分で買うことが当たり前だと習った。
そしてそれは、いつもじゃないことは教えてもらえなかったのか。
じゃぁこれは?
照「じゃぁさ、もし俺が服ほしいなぁって言ったらAどうする?」
A「Aが買ってあげたい。」
それは即答なんだなぁ。
照「そっか、ありがと。
それと一緒なんだよ?」
A「・・・」
人には優しくできるけど、それを自分に向けることができない。
悲しいけど、今までのAの生活を考えたら仕方のないことなのかもしれない。
257人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナハ(プロフ) - さん» ありがとうございます。☺️ (2022年4月4日 11時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
- 好き! (2022年4月4日 11時) (レス) id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
- (2022年4月4日 11時) (レス) @page4 id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
ナナハ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます。直しますね。 (2022年4月3日 13時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 件さってなってますよ (2022年4月3日 13時) (レス) @page3 id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナナハ | 作成日時:2022年4月2日 20時