完璧なんて存在しない【天童覚】

not perfect.9 ページ10

鷲匠の雷と同時刻

Aはとある高校の前にいた

だが、その姿は制服ではなく私服

制服だと守衛に止められてしまうと思ったからだ


『すみません、青葉城西と烏野のバレーの練習試合をみたいのですが』

守衛「あぁ、かまいませんよ」


守衛はにっこり笑ってAに許可証を渡した

バッチ式になっている許可証を左胸につけ、Aは中へと足を進めた

体育館へと近づくにつれてかけ声が大きくなる


「あっ、Aちゃーん！」

『げっ』

「〝げっ〟はヒドいでしょ！」


突然名前を呼ばれ、振り返ると茶髪のイケメン

青葉城西男子バレー部の主将、及川徹だ

そして彼女のいとことは彼のことである


及川「久々に会ったのにそんな対応しないでよ」

『うるさい。足を捻挫して試合に遅れたダッサい徹よりいいでしょ』

及川「ダサッ…何それ！」


いとこともなればこのウザイケメン(略してウザメン)の対処もなれたもの

及川を適当にあしらい、Aは体育館の二階席へ向かった

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