[d!]花嫁奪還戦争 (ページ10)

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8話ページ10

ut side

門番兵の案内を受けて中庭の方まで来た。

そこでは、多くの兵士達が酷い怪我を負って横になっていた。
医療班が必死に治療にあたっている。
その様子を見たしんぺいさんがすぐさま治療に加わる。

門番兵「幹部様方はより酷い状態でしたので医務室の方にいらっしゃいます。ショッピ様はお目覚めになられているかと。...本っ当にｯ、不甲斐ないです。」

門番兵は悔しさに顔を歪める。

gr「分かった。報告ご苦労。」

グルちゃんがそう言って彼の肩を優しく叩く。

tn「ショッピ君に話聞きに行くか。」

とんちに続いて俺らは医務室に向かった。

全員未だに動揺しているのか足元がふらついている。
かくいう俺も、Aちゃんが連れてかれたこと、ショッピ君らがおってもこういう結果になっていることが信じられないでいる。

いや、信じたくないのかもしれない。

医務室に入ると、エーミール、ショッピ君、チーノが滅多に見ないほどボロボロになっていた。
俺は医療の知識がある訳じゃないから、詳しいことは分からないけど危険な状態だったんだと治療器具の規模でわかる。

kn「ショッピ君。何があったんか、話せるか?」

その中でも上半身を起こしてこちらを見ているショッピ君は、戦闘員ゆえの自然治癒力なのだろう。

syp「...はい。」

ショッピ君が事のいきさつを全部教えてくれた。
ライヤの王子、ハイド・ライヤが侵入してきて、目的がAちゃんで、嫁にしたいとかぬかしたこと。
外部との連絡が取れないように電子妨害があったこと。
ハイドとの戦闘があって、負けたこと。

syp「俺ｯ..何を守れたんですかね。」

ショッピ君は俯いて、自身の手のひらを見つめる。

syp「A先輩、俺に大丈夫、帰ってくるって言ったんですよ。でも、その体微かに震えてて」

彼の手のひらに雫が1滴、2滴と落ちる。

syp「戦闘員の幹部は俺だけで、もっと上手くやらなあかんかった。仲間も今隣で寝込んでて、守りたかった人に守られて...俺ｯ、何も守れませんでしたｯ!!」

ショッピ君は拳を握りしめて蹲る。

os「ショッピ君、君は守れてるよ。」

その言葉に彼は顔を上げる。

os「国民や。君らが被害を要塞内だけで抑えてくれてたから、国民には被害も出てないし、不安感も抱いてない。それは一軍人として誇るべきとこやろ。」

syp「ｯ...!!ありがとう、ございます。」

ショッピ君はそう言うと、眠った。