[d!]花嫁奪還戦争 (ページ7)

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5話ページ7

ここから1番近いのは、森の魔物達の調査依頼受けてたひとらんかな。

私は魔導二輪車、言い換えれば運転手の魔力で動くバイクだ。
そのバイクに跨りながら、どこを目指すか考える。

『よしっ、早く行こう。』

魔力供給のためのリングを手首に付け、思い切りとばす。

ーーー

あと2分程で森の入口に着く。

要塞に残るみんなの身を案じながら、ハンドルを強く握る。

その時、インカムに通信が入った。

ショッピ君からだ。

外に通信を出せている、というのは相手の電子妨害に隙ができたのか？

『ショッピ君、ぶじ..』
hyde[[やぁ、A。久しぶりに声が聞けた。]]

全身から血の気が引いて、思わず魔導バイクを止めた。

『な、んで。あんたが。』

hyde「それより、今どこにいるんだい？帰ってきてもらわないと。」

『みんなは?ショッピ君やチーノ、エミさん。兵士達も。』

hyde「あー...知りたかったらおいで。」

私は迷わず来た道を引き返す。
信じたくはない。信じたくはないけれど。
明らかに、あの口調は...みんなが...

考えるなｯ!!

とにかく、一刻も早く。戻らないとｯ!!

ーーーーーー

要塞の裏口に着くと、魔導バイクを乗り捨ててすぐに中庭の方に走りだす。

大丈夫、きっと大丈夫。
なにかの間違いだよ。

中庭に続く外廊下の扉に手をかける。

大丈夫、大丈夫、大丈夫。

『み、んな..?』

扉を開けて、中庭に広がっていた光景はとても残酷で。
仲間はみな血だらけで、糸で吊り下げられていた。

『エミさん、ねぇ。任せてって。約束。』
エミさんは白い肌に鮮やかな赤を伝わしていて...

『チー..ノ？いつもみたいにドッキリなんだよね。』
チーノは糸が切れた操り人形のように力なく、だらんとしていて...

hyde「戻って来てくれたんだ。優しいなぁAは。俺、少しだけ待つのとか苦手だから、もう少しでこいつらの首落とすところだった。」

そんなことを追い討ちのように言われて、私はついに足に力が入らなくなり、その場にぺたんと座り込む。

『ごめん...ごめん...私が。』
syp「Aせ..ん、ぱ...ぃ。」

頭を抱えて俯く私の耳に、ショッピ君の今にも消えそうな声が届いた。