Tea for two 【短編集】 (ページ9)

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black coffee*1 ページ9

最近、気づいたことがある。

それは。

「おはよう。」

「あっ、お、おはよ、う」

この人に恋をしているということ。

挨拶も上ずる程に、だ。

ド・ギョンス。

学科は違うが、週に何度か共通の講義がある。

普通に面識はあるが、そこまで仲が良いわけではない。グループワークで同じ班になったこともあるし、さすがに私の名前は知っているだろうけどそれ以上のものは何もない。

それでも私は確信している。

これは本物の恋なのだ。

私の好きになる男の子といえば、すらっと背が高くて、イマドキの服を着こなす俗に言うイケメンという部類の子たちだった。

要するにメンクイ。

でも彼は

いや、別にドギョンスが格好悪いということはないのだけど。おしゃれな感じでもないし背もそんなに高くはないが、むしろ整った顔をしていると思う。

問題はそこではない。

私は初めて、見かけじゃないところで男の子に恋をしたのだ。

私は彼を知らず知らずのうちに”観察”するようになっていたんだけど、それでわかったことがある。

ドギョンスは流されない。

例えば、男の人が見たらきっと魅力的に思うであろう女の子と話す時と、あんまり見た目にこだわらないようなタイプの女の子と話す時で態度に差がない。

誰にでも同じように話す。

それって簡単なようで結構難しいと思うのよね。

彼は思ったことをクリアに話す方だ。

ディスカッションなんかをしても自分の意見がはっきりとある。

そのくせ、人を傷つけるような発言はしないから、そういう面に関しては空気を読むのだってうまい。

私はそんなドギョンスを見ていて大人だなぁと思った。

そうして知らないうちにどんどん好きになっていたっていう流れだ。

それと同時に私こっそり、彼とは気が合うにちがいない、って思っているの。

よくわからないけど、根本的なところで私と彼はすごく気が合うと思うのだ。