Tea for two 【短編集】 (ページ11)

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black coffee*3 ページ11

「カフェでコーヒーを飲むのはまあまあ好きだけどね。」

私はこの状況に未だついていけていない。

だってドギョンスが目の前に座ってコーヒーを飲んでいる。

同じ講義室にいても話しかけることすらできなかった相手、ドギョンスとカフェにいるのだ。

やっぱり彼はブラックコーヒーを飲むんだ。
なんだかイメージ通りだ。

私はというと、普段甘ーいカフェオレしか飲んだことがないのになんだか空気に飲まれて彼と同じものを注文してしまった。

テーブルの上の苦そうなコーヒー、全然手をつける気になれない。

ゼミの飲み会を断っておいて、ロクに話したこともない女をお茶に誘うなんて、ドギョンスはやっぱり少し変わっていると思う。

話題もなく、ぎこちない空気が流れる。

それでも私は浮かれていた。
焦がれていた人が目の前にいるのだ。
今、彼の目には私しかいない。

「僕はAさんと話してみたかったんだ。」

まっすぐ真剣な瞳で彼が言った。
そうして少し俯くと、小さく笑った。
もしかして、照れてる？

「えっ？」

ずっと惹かれていて、ずっと観察していて、気が合うんじゃないかな、なんて考えていた。
でも私は知らなかった。

「そんなに驚くこと？気になる子をお茶に誘うなんて誰もがすることだよ。」

あのドギョンスが。
今頃飲み会のみんなは想像できただろうか、ドギョンスが女の子と2人でコーヒーを飲んでいる。
しかもなんだか良い感じ、、、だと思うんだけど。

「私あなたのこと何も知らなかったみたい。こんなに好きなのに、、、あっ」

しまった、と思った。まさかこんな形で告白してしまうとは。
だけど、ちょっとだけすっきりした。