8.素因数分解 ページ8
カプチーノ、おいしかったなぁ。
「Aさん、」
あのカフェまた行こう。
「おーい、」
あのお兄さんまたいるかしら。
「Aさんてば、」
目の前に真っ白な手をふりふりされて、やっと我にかえる。
「あぁ、はい、」
「ちゃんと聞いてくださいよ〜、どうしたんですかそんなにぼうっとして〜」
困ったなぁ、とキムジュンミョン。
しかし語尾には あはは、という効果音がつきそうな話し方である。
「ごめんなさい。」
「謝らなくても大丈夫ですよ、続けますね。、、、あっ、そうだ、」
何かを思い出したらしいキムジュンミョン。
「先週宿題出しましたよね？危ない、忘れるところだったよ、チェックさせてください」
そうだ。そうだった。
宿題、あったんだった。
すっかり忘れていた。
「あ、えと、ここ、やったんですけど、でも難しくて、全然解けなくて、」
こんな言い訳が通用するわけがないけど、苦し紛れに白紙のノートを開いてみせる。
「うん、わかりました^ ^」
「解けない範囲を宿題として出してしまった僕の力量不足でした、ごめんなさい。」
「できない問題と向かい合うということはとても大変なことです。それでもAさんがこのページを見て、解こうと努力してくれたということが大切なんです。Aさんは偉いです。」
「じゃあ、僕と一緒に解いていきましょうか」
ここまでキムジュンミョンは顔色ひとつ変えずニコニコと、ほぼ一息で言い切った。
いやぁ、なんと言ったらいいんだろうこの気持ち、、、。
お説教をされたというのとはちがうような。
罪悪感というか、、、。
私は宿題をやらなかったことと嘘をついてしまったことを後悔した。
どうしても我慢できなくて、キムジュンミョンに懺悔した。
「あの、先生、」
ん？と私を覗き込むその顔までニコニコしている。
こわい。
「私、宿題やってません。問題も開いてません。ごめんなさい。」
キムジュンミョンはうんうん、と頷いた。
「わかりました、大丈夫ですよ。よかった、Aさんを嫌いになるところでした。」
「できないことは、悪いことではありません。でも、僕に隠し事をするのは良くないよね。」
ニコニコ顔が一瞬真顔になったような気がした。
「ごめんなさい。」
「大丈夫だから、」
キムジュンミョンはうつむく私の頭に軽く触れた。
「正直に言ってくれてありがとう、これから頑張っていきましょうね。」
今日の授業は3時間も続いた。
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月子(プロフ) - はにはにさん» はじめまして、コメントありがとうございます（ ; ; ）そんな風に言っていただけてとても嬉しいですm(_ _)m始めから最後まで読んでくださり、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (
レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - サクラさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)mこんなお話を楽しみにしていただけて嬉しい限りです（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
はにはに(プロフ) - 初めまして！このお話が出来たばかりの頃から読ませて頂いてたのですが本当にこのお話が大好きでした！更新の通知が来る度にワクワクしてましたし私普段コメントはしないのですが一言言いたくて初めて感想のコメントをさせていただきました。新作も期待してます＾＾ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 3c6e49ba34 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - はじめまして、久しぶりに更新が待ち遠しい作品に出会えて嬉しいです！番外編？も期待してます（＾Ｏ＾） (2017年10月9日 0時) (レス) id: 96df8fe841 (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - mareさん» こんばんは〜嬉しい限りです(T . T)こんなゆるゆる〜なお話ももうすぐ完結なので、こうしてコメントをいただくことができて本当に嬉しいです、、、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月6日 20時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月子 | 作成日時：2017年7月30日 19時
