41.合成数 ページ41
今日の会場となる教会は、こぢんまりしていながらもとても雰囲気のあるすてきなところだった。
「あー、謎に俺が緊張してきたー。」
「いやなんでだよ。」
隣に座るパクチャニョルを肩で突く。
入場してきた新郎、
すなわちルゥハンはあのときと変わらず美しかった。
「うっわ、ルゥハン先生まじで変わんないね、若。」
「本当だ。」
「式終わったら俺らのとこ来てくれるかな。」
「どうだろ、忙しそうだよね。」
「てか、俺の顔覚えてるかな！？」
精一杯の子音声でヒソヒソ話していたつもりだったけど、どうやら目立ってしまっていたみたい。
神父さんの前に立ったルゥハンが口パクで『う る さ い』と言った。
バッチリ私たちを見てしかめっ面をした。
それから、しあわせな空気に包まれて式は進行されていった。
パクチャニョルはというと、お嫁さんがあんまり可愛くないとか、泣きじゃくる参列者を嘲笑したりとか、相変わらず屑全開で式を楽しんでいた。
初めは屑発言にツッコミを入れていた私だが、途中からそれどころではなくなってしまった。
あの背中を見つけてしまったから。
前の方に座るグレーのスーツの男性。
私がずっと焦がれていた背中。
大好きな数学の先生。
式が終わると、本日の主役が挨拶しに来た。
「おいお前ら式中うるせーぞ！あーあ呼ばなければよかった。」
「ごめんて、先生！ご結婚おめでとうございます！」
「おめでとうございます。」
「ありがとう。久しぶりだな。A、チャニョル。元気そうでよかった。」
「こんな日だから言いますけど、ルゥハン先生は私の恩師です。先生がいなかったら今の私はありません。」
「それは俺も同じ。先生の前では俺、素でいられた。」
「やめろよお前ら、すっかりいい子になっちゃって、つまんないな、」
大きな瞳で真上を向くルゥハン。
私とパクチャニョルで“泣くな”コールをしてからかえば、高校時代と同じように体罰を仕掛けてきた。
右手にチャニョル、左手に私、という具合に頬を抓る。
痛い痛い、と、私たち。
なんだ、全然変わってない。
懐かしい安心感に、心が暖かくなった。
「ルゥハン先輩、」
「お話中ごめんなさい。今日はお招きありがとうございます。ご結婚おめでとうございます。」
心臓が跳ねる。
時が止まった心地がした。
いや、無理やり止めていた時が再び動きだしたのかもしれない。
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月子(プロフ) - はにはにさん» はじめまして、コメントありがとうございます（ ; ; ）そんな風に言っていただけてとても嬉しいですm(_ _)m始めから最後まで読んでくださり、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (
レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - サクラさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)mこんなお話を楽しみにしていただけて嬉しい限りです（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
はにはに(プロフ) - 初めまして！このお話が出来たばかりの頃から読ませて頂いてたのですが本当にこのお話が大好きでした！更新の通知が来る度にワクワクしてましたし私普段コメントはしないのですが一言言いたくて初めて感想のコメントをさせていただきました。新作も期待してます＾＾ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 3c6e49ba34 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - はじめまして、久しぶりに更新が待ち遠しい作品に出会えて嬉しいです！番外編？も期待してます（＾Ｏ＾） (2017年10月9日 0時) (レス) id: 96df8fe841 (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - mareさん» こんばんは〜嬉しい限りです(T . T)こんなゆるゆる〜なお話ももうすぐ完結なので、こうしてコメントをいただくことができて本当に嬉しいです、、、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月6日 20時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月子 | 作成日時：2017年7月30日 19時
