2.二次関数 ページ2
昼下がりの廊下に響く間延びしたトランペットの音と、運動部のグラウンドを走る掛け声が、嫌というほど私に休日を実感させる。
昨日ルゥハンから伝えられたことは、
毎週土曜日の午後1時頃に数学準備室に来ること。
例の凄〜い数字の先生はルゥハンの知り合いであること。
この2点だけだった。
めんどくさいのもあるけど、不安の方が大きい。
だって凄〜い先生って、凄〜い怖そうじゃない？
しかしこうなった以上は腹をくくるしかない。スパルタ先生の補修をサボったら更に恐ろしいことになりそうだ。
私は恐る恐る数学準備室をノックした。
「はぁい、どうぞー。」
優しい声が帰ってきて拍子抜けした。
中に入ると、その声に見合った人が座っていた。
「はじめまして、Aさんですね。」
綺麗な黒髪は烏の濡れ羽色といったところだろうか、陶器のように白い肌とのコントラストが美しく、整った鼻と凛々しい眉を浮き上がらせる。
透き通る瞳は私を映して三日月型に寝そべって、小さく形のいい口は私に微笑んだ。
「僕はキムジュンミョンです。ジュンミョン先生って呼んでください。」
「っていっても僕もAさんと同じ学生なんです、平日は大学院で勉強しています。年もそんなに離れてないし、良いお友達になれたらいいな、ははは」
なんだか身構えて損した気分だ。とりあえずこわそうな人ではなさそうだ。
それからキムジュンミョンは小一時間授業をした。
いたって普通に眠くなる授業だった。
私の数学音痴ぶりをルゥハンから聞いていたのだろう、どれだけ初歩的な問題でミスをしても気を悪くする素振りは見せなかった。
「Aさん、1つ質問いいかな？」
この人、あんまりニコニコだからちょっと気持ち悪いなぁ。と思いながら、私は どうぞ。 と答えた。
「Aさんは数学が好きですか？」
「大嫌いです。」
私の即答を聞くなり、そっかぁ、とわざとらしく肩を落とした。
「それじゃあ今日から嫌いじゃなくなることを目標にしましょう！僕と楽しく勉強しながら。」
「あぁ、はい。」
そんなことで数学が好きになるわけないじゃない。この人凄〜い先生というよりダル〜い熱血教師って感じだ。
「Aさんにとって1週間のうちで土曜日が一番待ち遠しい日になるように頑張ります。」
「まずは僕に会うのが楽しみになればいいんです。そうしたら自然と数学も好きになれるから。」
ねっ。と笑いかけてくるキムジュンミョン。
随分と自信ありげな人だ。
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月子(プロフ) - はにはにさん» はじめまして、コメントありがとうございます（ ; ; ）そんな風に言っていただけてとても嬉しいですm(_ _)m始めから最後まで読んでくださり、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (
レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - サクラさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)mこんなお話を楽しみにしていただけて嬉しい限りです（ ; ; ） (2017年10月15日 9時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
はにはに(プロフ) - 初めまして！このお話が出来たばかりの頃から読ませて頂いてたのですが本当にこのお話が大好きでした！更新の通知が来る度にワクワクしてましたし私普段コメントはしないのですが一言言いたくて初めて感想のコメントをさせていただきました。新作も期待してます＾＾ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 3c6e49ba34 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - はじめまして、久しぶりに更新が待ち遠しい作品に出会えて嬉しいです！番外編？も期待してます（＾Ｏ＾） (2017年10月9日 0時) (レス) id: 96df8fe841 (このIDを非表示/違反報告)
月子(プロフ) - mareさん» こんばんは〜嬉しい限りです(T . T)こんなゆるゆる〜なお話ももうすぐ完結なので、こうしてコメントをいただくことができて本当に嬉しいです、、、ありがとうございます（ ; ; ） (2017年10月6日 20時) (レス) id: a6497a8f4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月子 | 作成日時：2017年7月30日 19時
