ようこそ、小さなお客様/sha,kn ver. ページ39
少女は目が覚めると、動物園と思わしき場所に1人で立っていた。自分や家族、友人の名前は分かるのに、記憶があやふやだ。何も分からない恐怖心があるが、とにかく歩くことにした。
歩き始めて約2分後、段々暖かくなってきたと同時に目の前に檻が見えた。中にいるのは人なのだろうか………好奇心に負けた少女は檻に近寄った。
「んー？お客さんや……。あ、危ないから檻に近付きすぎはあかんで？」
『お兄さん、誰？なんで檻の中にいるの？』
「よくぞ聞いてくれました。俺の名前はシャオロン！このエリアの人気者や！」
『ほぇ、そうなんだ』
自分以外にも誰かいる、というのは安心だ。少女は、自分が"檻の中に人がいる理由を聞いていない"ことに気付かずに目の前の男性を見つめる。
シャオロンは檻から腕を出して少女の頭をそっと撫でた。普通の人よりも、はるかに暖かい手に違和感を抱きつつも頬を緩ませる。
「ここ暑いやろ、大丈夫か？」
『これくらいへーきだよ』
突然、大きな声が聞こえた。割とはっきり聞こえるので、すごい声量の持ち主のようだ。
「おいシャオロン、お前また自分のこと人気者って言うたな！？お前俺より不人気やんけ！！」
「え、俺は騒音男なコネシマさんと違って静かなのが人気やから分からへんわ」
「お前ッ………って、お客さんおるやんけ。いや、すまんなぁ！」
『ううん、大丈夫だよ。お兄さんはコネシマってお名前？』
「おん、せやで！シャオロンのお世話係や！」
「声はでかいし、言ってることは子供っぽいけどな〜。悪いヤツではないから安心せぇ」
『うん…！あ……帰らなきゃ怒られちゃう……』
「……嫌や。俺、アンタと一緒に居たいわ」
「…家族はフィクションや。お前がわざわざそこに帰る必要なんかないやろ」
──怖い。
少女は逃げ出そうと走り出すが……走り出した途端に目の前に炎の壁が作られ、コネシマに抱きしめられる形で捕まってしまった。
『や、やだ……はなし、てぇ……！』
「今日からは俺がお前の父ちゃんになったる。シャオロンは……まぁ兄貴やろ。俺らから逃げたらあかんで？」
「さ、家族の証付けよか……Aちゃん♡」
少女は泣きながら抵抗するが、年上の男に勝てる訳もなく……その首には水色の革に黄色の犬の飾りがついた首輪が付けられた。
首輪─それはすなわち独占の証。その領域からは出られず……檻の中にいる半人外とその友人だという人に飼われるんだってさ。
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しぃりん(プロフ) - イカの化身さん» ありがとうございますー！誤字、直しておきますね………((( (2021年10月25日 11時) (
レス) id: 40e91cb810 (このIDを非表示/違反報告)
イカの化身(プロフ) - あ、あと私ごとなのですが、誤字？らしきものを見つけまして…お時間あればお直しお願いしたいです…！両親や先生から期待される優等生、それが私だらしい。の所です！！！更新、体調崩さず頑張って下さい。 (2021年10月25日 1時) (レス) id: a0117cd36a (このIDを非表示/違反報告)
イカの化身(プロフ) - はじめまして！しぃりんさんのd!この短編集めっちゃ好きです！！！！もうとくにメンバーの口調とかすごい掴んでて'''！！！もう""好きです"" (2021年10月25日 1時) (レス) @page1 id: a0117cd36a (このIDを非表示/違反報告)
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