ドッペルゲンガー (ページ35)

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あ

ジミンなんか、最低、嫌い、って思ってたのに。

大好きだったところって、なかなか嫌いになれないんだね。

別れた後も、こんな思いさせられて。

なんだかしてやられた気分。

あ

TH｢ちょっとー、そこ。

いい雰囲気出さないでくださーい｣

JM｢なに言ってんの、テヒョナ｣

あ

テヒョンがからかってきて、それに反応したジミンがテヒョンに近寄る。

その隙に、ジミンからふらふらと逃げ出した。

切った野菜を並べる皿を取り出すために、食器棚を開ける。

使ってるのか使ってないのか。

綺麗に並べられたお皿は、私たちが付き合ってたころと配置はあまり変わってない。

たしかここらへんに…、あった。

すぐ目的の物を発見して、手を伸ばす。

あ

その時、ふと、奥のほうに見えるモノ。

白い食器の中で一際目立った。

あ

それには見覚えがあって、

というか、見覚えしかなくて。

あ

目頭が熱くなって、少しだけ視界が滲む。

赤と黒の、対になったマグカップ。

付き合ってすぐの時に、二人で一緒に買ったもの。

奥に隠してあるけど、捨てて、ないんだ。

あ

捨てられ、なかった？

そうなの？ジミン。

あ

ジミンの態度からして、もうなかったことにしてるんだって。

忘れたんだって思ってたけど。

私と同じなの？

まだ、忘れられないの？

なんとも言えない思いが一気に喉の奥から込み上げてきた。

あ

ねえ、ジミン。

私たち、なんで別れたんだっけ。

浮気なんてそんなの、許してあげればよかったのかな。

ああ、そっか。

嫌いになったつもりでいた。

私ってまだ＿＿＿。

あ

胸の、奥の奥に隠していた感情が見え隠れして、

それはもう、見て見ぬふりなんてできそうにない。

あ