ドッペルゲンガー (ページ11)

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あ

｢…ねえ、ドッペルゲンガーってなんだっけ｣

さっきの出来事で身も心もすっかり冷えてしまったから、自分とテヒョンの分の温かい紅茶を入れる。

本当はコーヒーが飲みたいけど、テヒョンはコーヒー飲めないし。

どっちも入れるのはめんどくさい。

お湯を沸かしながらそう聞くと、テヒョンは私のパソコンを触りながら話し出す。

TH｢ほら、あれじゃん。

もう一人の自分が現れるやつ｣

いや、説明適当すぎ。

TH｢小さい頃とかそんな話よくしなかった？｣

｢ドッペルゲンガーの？｣

うーん…小さい頃とか言われても、子供の時なんてもう10年以上も前だよ。

一生懸命記憶の糸を辿っていくと、

ふと、頭に思いついたものがあったから聞いてみる。

あ

｢もしかして、自分が見たら死んじゃうやつ？｣

TH｢それそれそれ｣

あ

それか。

たしかに、小さい頃とかそんな話したことあったかも。

ちょうどお湯が沸いて、マグカップに紅茶を入れてると、あった、と言って私を呼ぶテヒョン。

パソコンの画面に向かってるテヒョンの隣に座る。

あ

｢なにそれ｣

TH｢ドッペルゲンガー、調べてみた。

『ドッペルゲンガーは、自分自身の生霊です』

だって｣

｢生霊？｣

TH｢うん。らしい。

えっと、ドッペルゲンガーの特徴は…、

あ

『周囲の人と会話をしない』｣

あ

｢周囲の人と会話をしない…？｣

TH｢うん。

だから俺が話しかけても無反応だったんだね｣

あ

たしかに、私が話しかけたときもまるで聞こえてないみたいだった。

ジミンの無表情な横顔を思い出す。

あの時は本人だと思ってたから普通に話しかけてたけど、

もしアレが本当にドッペルゲンガーなんだったとしたら…。

私、生霊に話しかけてたってこと？

また悪寒がして、湯気の出てる紅茶を啜った。

あ