重くて、苦くて、______

ep.34 ページ35

半間と付き合い始めてから迎える初めてのクリスマス。



どうせ過ごせないとは思っていたが、案の定だった。




どうも話を聞けば、これから半間と稀咲くんは
裏切り者になるとかなんとかって。




私には詳しいことが本当に分からないし、
でもただ、大好きな彼氏と友達には生きてほしいと
願うばかりだ。





『まァ、クリスマスは無理だけど。

その前の週は過ごせるしよー。


なんなら三が日は一緒にいれるぜ？』


「まー...それなら、いっかぁ。

じゃあ前の週にクリスマスパーティしよ。


大晦日は一緒に初詣行こう？」



『ひゃは♡いーぜ、我儘お姫様の言う通りに♡

Aはいつも待ってくれってっからなー。』



「待つのだけは得意分野かなー」



『ばはっ♡いつもワリィー♡』



「全然反省してないじゃんー、ま、いんだけどね。


あ、クリスマスパーティは稀咲くんに呼ぼうよ。

前退院祝いしてくれたから御礼したいし！」



『あー？稀咲ー？だりー...。』



「稀咲くんのおかげでもあるんだから！

初詣も2人で行くのと、3人で行くの2回しよ！」



『ばはっ♡食いすぎて丸いくまのぬいぐるみにでも
なるつもりかァ？』



「なっ！ど失礼すぎん？！」


『ひゃは♡そのAの顔一生見れるワ』








やっぱりこの他愛のない話をしてる時が
1番幸せだ。





来年のクリスマスはきっと2人で過ごせるだろうし。



今が幸せならきっと来年はもっと幸せだろう。


3人でもいっぱい出かけてさ。


半間ともいっぱいデートして。






きっと素敵な未来が待っているんだ。













でもその考えが、間違っていたのかな。














年が明けてすぐの2/22。






いつも通り抗争があると言い
横浜に向かっていった彼。




今日はそんな怪我なんてしないといいなと思いながら
いつもの様に家で待っていた時だった。









ニュースで稀咲くんが死んだ事を知った。












そして、同時に。









半間が指名手配犯になった、と知った。

ep.35→←ep.33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す