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教室まで送ると言ってくれた松本先輩と一緒に廊下を歩いている。
先輩は目立つ人だから一緒にいるといつも注目されて私は居心地が悪い。
「あ、またあの子と一緒にいる」
「羨ましいよねー、玉の輿じゃん」
「なんであの子なんだろ」
「付き合ってないんだっけ。じゃあ告白しても平気かな」
ひそひそ話になっていないと気づいていないのか、ワザとなのか、わからないけれど。
聞こえてくる声に私は耳をふさぎたくなる。
私だって好きで松本先輩と一緒にいるわけじゃない。
こうやって目立つのだって嫌だ。
私と先輩が釣り合わないのだって知っている。
「A、明日は何が食いたい。中華とかにするか？」
私だって、好きになりたくて松本先輩を好きになったわけじゃない。
好きになったのがたまたま松本先輩だっただけだ。
たまたま、その人が、どこぞの財閥の御曹司だっただけだ。
「おにぎりとかでいいですよ。毎日あんなに豪華なの食べてたら胃がもたれちゃいます」
「そうか？欲がないな」
「普通ですよ」
そう、私は普通なのだ。
もっと言うのなら、普通よりも下だ。
「バイト何時に終わるんだ」
「十時半です」
「遅いな」
「長めに入れてもらってるんです」
「迎えに行く」
「結構です」
「なんでだよ」
「だって先輩リムジンで来るじゃないですか。困ります」
「じゃあ、今日は歩いて行ってやる」
「ですから遠慮します」
「なんでだよ！」
そんなの、あまりにも私に釣り合ってなさすぎる。
私はただの苦学生、先輩は財閥の御曹司だ。
バイトを三つ掛け持ちしている私は毎日何かしらの仕事に追われている。
これでも結構きつきつで、正直言えば先輩が用意してくれるお昼ご飯はありがたい。
でも、一方的に与えられてばかりは違う気がして。
先輩が純粋な好意でやってくれているのはよくわかる。
だからこそ、私は何も返せないと思ってしまう。
高価な贈り物も出来ないし、先輩と一緒にいる時間だってそんなに長くは取れない。
なによりも。
私なんかが先輩の隣に並ぶのは、先輩にとってマイナス何じゃないかと考えてしまうのだ。
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iCHiKA(プロフ) - tubinさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！お楽しみいただけたとのこととても光栄です。今後もお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - にゃんちきさん» にゃんちき様、いつもありがとうございます！糖度高めを目指して頑張ったお話でしたが、お役に立てたようで良かったです。こちらこそご賞味ありがとうございました。 (2021年8月21日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちき(プロフ) - 最近疲れ気味だった私には翔さんの甘さが最高のご褒美になりました。ご馳走様でした( ´ω` )/ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年8月15日 14時
