たまには夢の話を【M】 ページ41
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断る上手い文句を思いつかない。
だから今日も私は可愛くない言葉で言い返す。
「何しに来たんですか松本先輩」
「一緒に昼めし食うぞ」
どうして上手い文句が思い浮かばないのかといえば、私が彼を決して嫌ってはいないからなのだろう。
「どうして私なんですか」
「俺様が気に入ってるからだ。ほら来い」
「わっ、ちょっと引っ張らないでくださいよ！誘拐ですよ！」
嫌いだからとつっぱねられない。
だからと言って、好きだと素直に言うことはできない。
全部、私が弱虫なせいだ。
「もう、たまには私の話聞いてくださいよ」
腕を引く松本先輩の背中に文句をぶつけてみる。
「聞かねぇな。お前が素直に俺に好きだと言うまでは」
「っ」
分かってて、そんなことを言う。
だから余計に、私は上手い文句が浮かばない。
腕を引かれるままたどり着いた生徒会室で私はいつもの面子に囲まれている。
目の前にあるのは先輩が持ってきたお重で、私の知る限り今までの人生で食べたどのおせちよりも豪華な食材がただの昼ご飯として詰め込まれている。
「俺そっちのステーキ肉食べたい。Aちゃんとって」
「……はいどうぞ、櫻井先輩」
「あ、加西さん、俺にもそこの筍の煮物取って」
「どうぞ二宮先輩」
「はいはーい！俺も加西ちゃんに取ってもらお！そこの牛かつ取って！」
「加西、この刺身ウマイぞ食うか？」
「これでいいですか相葉先輩。あと、ありがとうございます大野先輩、結構です」
「おいお前ら、寄ってたかってAに構うなっていつも言ってんだろ！」
先輩の叫び声に櫻井先輩が顔を上げて迷惑そうな顔をする。
「じゃあ俺たちのいる場所に連れてくんなよ。松潤の好きな子って言われたら手出したくなるじゃん。ねぇ相葉ちゃん」
「うんうん、どーかん！」
「ふざけんな！」
隣に座ってるんだからそんなに騒がなくたっていいのに、なんて考えていたら先輩の手が伸びてきてぐっと抱き寄せられる。
肩と肩が触れ合って心臓が跳ねたと思ったら、今度は目の前にステーキ肉が突き出された。
突き出しているのは当然松本先輩である。
「なんですか」
「食え。お前のために作らせたのにこいつらに全部食われたら意味ないだろ」
ほら、と松本先輩は箸でつまんだステーキ肉を私の口の傍に持ってくる。
固まっていたらしびれを切らしたのか先輩の手が私の顎にかかった。
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iCHiKA(プロフ) - tubinさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！お楽しみいただけたとのこととても光栄です。今後もお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - にゃんちきさん» にゃんちき様、いつもありがとうございます！糖度高めを目指して頑張ったお話でしたが、お役に立てたようで良かったです。こちらこそご賞味ありがとうございました。 (2021年8月21日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちき(プロフ) - 最近疲れ気味だった私には翔さんの甘さが最高のご褒美になりました。ご馳走様でした( ´ω` )/ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年8月15日 14時
