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黒side
「ジェシー...ごめん..ごめんなっ」
力いっぱい、ジェシーを抱きしめる。
ジェ「ほくとっ、ほくと!!...たすけて、俺を..助けてよ......おね、がい..」
小さな子が、母親に縋るように。
彼は、俺の背中に手を伸ばして。
何度も何度も、俺を抱きしめ返してきた。
北「うんっ、うんっ...今度は俺が、助けてやるから。....泣かないで..?」
俺はどうしても、この男の泣き顔に弱いんだ。
何かが失われてしまうような感じがするから....
不意に背中に回されていた手の力が緩んだ。
そのままジェシーが、ぐらりと傾いて。
慌てて受け止める。
北「...ジェ、シー?.....」
全く力が入っていなくて、ぐったりしている。
只事じゃないことに嫌でも気がついた。
ジェ「やっ...ほくっ!....ぐぁ..ら..すぅ.....」
北「え?..何て...言ったの..?」
ジェ「はぁはぁっ...こ...い...かぁら..,ぁない」
必死に喋っているのは分かるのに、肝心な内容が入ってこない。
呂律が上手く回っていないみたいだった。
ジェシーは、自分の状況にパニックを起こしていて。
顔をぐしゃぐしゃにして号泣しながら、呼吸を乱している。
北「ジェシー、病院行こ?..皆で行けば、怖くないからっ」
力が抜けてしまっている大きな体を、思いっきり抱きしめる。
怖いのは、ジェシーだけじゃなくて俺もだ。
ジェシーにかけた言葉は、自分に向けてでもあったのかもしれない。
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚
赤side
ああ、俺このまま無くなっちゃうんだって思った。
力が入らなくて、上手く喋ることができないし。
それに、息もできなくて。
北斗がいてくれて、本当によかった。
いなかったら俺、どうしたらいいか分かんなかったもん。
北斗の少し大人な花の匂い。
何を使っているかは教えてくれないけど、いい匂い。
北斗自身の匂いに包まれて、もう1人じゃないんだ。
誰かに分かってもらえるんだって思ったら、何かがするする解けていくような気がした。
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みかん(プロフ) - 嶺音 蒼空Inn?cenceさん» コメントありがとうございます。私のペースとなりますが、お待ちいただけると嬉しいです!ぜひ、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月26日 19時) (レス) id: 89ba736677 (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 蒼空Inn?cence(プロフ) - いつも楽しく読んでます!私は病気系の物が好きで探し回っていたところをこのお話に辿り着きました!これからも面白いお話が出るのを楽しみにしてます!がんばってください! (2020年9月26日 12時) (レス) id: 316022cad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作成日時:2020年9月25日 22時