Through the rain 3

23.2 ページ11

黄side


いつからだろう...



こんなに緊張しているのは。



いつからだろう....




ジェシー達に褒められたまつ毛が、少なくなったのは。




ドラマ撮影が始まって、緊張する時間が多くなった。


台詞も確実に覚えて、噛まないように。


風磨と一緒だしさ、比べられて劣っているって思われたくない。


ただの俺のプライドなんだけどさ。


デビュー組っていう、同じ土俵にいる以上は嫌がおうにも周りから比べられるし....



俺も意識しないって言ったら嘘になる。



でも、撮影はすげぇ楽しいのよほんと笑
風磨と馬鹿やったりさ...うん。



緊張感から、解放されたいって誰でも思うじゃん。


で....

大体の人は自分が好きなことやったり寝たりするわけよ。



俺の癒しって言っていいのか?
癖である、毛をさわさわしている事が多くなった。





高「..あれ?抜けちゃった笑」


あの初めの日。


たまたま抜けた、まつ毛。



高「ほぉ....意外と長い..ふふっ笑」



見てみたら、言われた通り長くてさ...



ちょっとした思いつき。

もう1回、抜いて見てみようって思った。




目に自分の指が近づいていくのは、分かってはいえど怖くて、緊張した。



高「こえぇ.....」


緊張して手が震える。


それでも、恐る恐るまつ毛を掴んで抜いてみる。





人差し指には、綺麗に抜けたまつ毛があって..。



高「はぁー.....」



何か、安心した。
一気に緊張がほどけるっていうのかな。


気持ちよくてさ。



ここ最近、緊張しっぱなしだった生活で久しぶりの感情だった。



そこから、緊張が解ける気持ち良さを味わいたくなって。
気づけば、まつ毛を抜くようになった。



抜けば、毛はなくなっていく。
そりゃあ、当たり前よ笑



褒められたまつ毛が気づけば少なくなっていることに、動揺が隠せなかった。



でも、減っていくまつ毛に、ビビりはするものの無意識に手を伸ばして、あの快感を味わいたくなってしまう。


つまりさ....


無限ループにハマってしまっていた。

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