着信履歴 (青)

幸せってなんだろう？ ページ43

ニシシって笑う隣の人につられて、アッハッハって笑う私は、

多分相当恋してると思う。

ありきたりな恋愛じゃないけど、ごくごく普通の恋。


『変わりにさ、一枚だけ写真撮ってほしいな』


返事はせずにスマホをポケットから出して渡したかと思えば、
無言でピースしてる人


そのおかげで写真嫌いの私がニッコニコで映ってた。



｢これ、暗くて見えにくいやん？ロック画面にしぃーや｣


いっちばん嬉しい言葉をくれた君


｢その変わりさ、あの歌、カバーさせてくれへん？｣


頭にあった手は、私の手を握る。


『条件付きでいいなら。』


｢ありがとう｣

そう言って抱きしめられる。

まだ何も言ってないのに 笑


彼の耳とピアスを目で追いかけながら口を開く


『作詞作曲は安田章大で出すこと。
　それと、

　 あの曲の題名､二人で考えよ？』



笑った時の息が耳に掛かってくすぐったい


｢子供の名前の前にかぁ〜それもいいな〜。ありがとうね｣


章大くんは私たらしです。


照れてる私をよそに“俺の髪の毛おもろいから触ってみ“
って頭をぐりぐりしてくるのも、

それはそれは愛しいです。



＊


｢また連絡するな〜｣


『待ってる。バイバイ！！』

とびっきりの笑顔で手を振ると、嬉しそうに微笑んだ君は

｢バイバイ、夏風邪引かようにね。｣

そう言って投げキッスをかましてたから、
食べてやったら満足そうに帰って行った。



車に戻り携帯の電源をONにすれば、たくさんの通知。

メッセージアプリに、来てた彼からの“会いたい“。

ついさっき送られて来た、二人で撮った、写真。

着信履歴には、6回もの“隣の安田さん“の文字。



幸せだな。
これが幸せなんだね。


今日、私を見つけてくれてありがとう。


人生で初めて、8と9が近しいことに感謝しました。

愛というご褒美→←ありきたりな

ラッキーソング

涙の答え

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す