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「さ、今日はいよいよ仮入部最終日だな」
「ジャコくん………めちゃくちゃ緊張してきたよ私……」
とうとう放課後、部活の時間がやってきた。
大丈夫、私なら大丈夫。
…と思っていたのだが。
「ちょっとブンちゃん解いてよこれ〜!」
「……なんで夏ちゃんを縛ってんの…!?誰だしばったの!?」
「今日はA先輩のテストの日なんすからね!!
夏先輩を使うの禁止なんで!!!」
「はぁあ!?なんでだよ!」
謎に威張りつつニヤニヤしている切原。
そして唯一の救いであった夏ちゃんはコートの端にあるベンチに縛りつけられ、自由に動けるマネージャーは私一人となった。
どうしよ……
「落ち着け松山。焦るのはまだ早い。」
「そうですよ、貴女も賀集さんが帰って来られるまでは一人でこなしてらしたではないですか。」
「た、確かに……」
そうだ。柳くんと柳生くんが言う通り、私だって一人でしてきた。
自信持とう。
それにしてもジャッカルくん柳くん柳生くんの三人はほんと良い奴だな……
「ではそろそろ練習を始めるぞ。松山、宜しく頼む」
「よっし任せとけさなだん!!」
「さな…だん……?俺のことか…?」
手始めにタオルとドリンクの準備をしよう。
そう思い部室のドアを開けると。
「困ったのぅ、このままでは俺はお前さんに一万払わなければいけないんじゃが」
「オホホ銀髪くん、どうやら私の勝ちが見えてきたようだね」
「さっきまでの自信の無さと緊張はどこいったんじゃ…」
部室の椅子で寝転んでいるこの銀髪は、どうやら他の部員にも自分の名前を私にバラさないよう伝えているらしい。
未だにドリンクのペットボトルには彼の名前ではなく「銀髪」と書かれたテープが貼られている。
「まあまだ分からんぜよ。赤也がどう思っているかわからんからな」
「赤也くんか……」
なーんでこんな嫌われてんだ…
作ったドリンクや用意したタオルは使ってくれるものの、まだ私は奴の笑顔を見ていない。
…いや実際は夏ちゃんに向けられる笑顔は何回か見た。
「理不尽に嫌われてんなあ……」
「おま、理不尽が初めてみたいな言い方するんじゃなか
世の中理不尽だらけじゃ、おまんも未経験なわけないじゃろ」
「それな……ハハ……」
あたいの人生とか理不尽そのものだよなほんと…
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幽霊部員(プロフ) - 全然更新できずすみません……コメントありがとうございます!!!頑張って続きかきます(笑) (2021年1月7日 15時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - おもしろいですね!な、夏ちゃん??と思いながら見てます!合宿のお話、楽しみにしてます! (2020年12月12日 12時) (レス) id: f43141c8eb (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(´;ω;`)夏ちゃん嫌な奴になりすぎないよう努めます、、、!! (2020年11月5日 1時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - とても面白いです!夏ちゃんいい人のように見えて怖いですね、、、ヒロイン頑張って欲しいです。 (2020年11月4日 10時) (レス) id: a8b7d730eb (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - 白さん» ありがとうございます、、!!励みになります、更新遅いですが頑張ります(笑) (2020年9月12日 22時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幽霊部員 | 作成日時:2017年4月8日 22時