停車駅を過ぎれば (ページ18)

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通勤ラッシュページ18

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この、“ 安嶋さん ” という人は、メンタリストなのか？

と、疑ってしまいたくなるほど

彼は私の気持ちを見抜いている

そして隣で、見抜いてることに

優越感を感じながら私の瞳を見ながら

話を聞き出す

……怪しい、

安嶋「それってクロダって男が1番悪くないっすか？」

「黒田くんも、まあ、うん、」

安嶋「自分が一番の原因だって思ってます？」

「そりゃあ、そうでしょう？」

安嶋「だったら、今彼氏に泣きついてるでしょ」

ふはって、何が面白いのかわからないが

彼は優しい笑顔を見せながら

私の話にずっと耳を傾けてくれる

安嶋「彼氏さんもあれですよねー言葉足らずというか」

「言葉足らず？」

安嶋「そうっすよ、嫉妬なんかしちゃって可愛いのに」

「 …え？これ嫉妬？」

安嶋「嫉妬っすよ！めちゃくちゃ嫉妬してますって～ (笑) わかってなかったんすか？」

こんな動物いるのか！？って目で

見てくるのに腹立たしくないのは

なぜだろう？

「嫉妬ではないと思ってた、」

安嶋「じゃあなんで怒ってるって思った？」

「うーん、…嘘ついたからかな」

安嶋「まあ、嘘もダメっすよね」

彼はズッと椅子を近づけて

内緒話をするように

安嶋「彼氏さんはAさんのこと、めっちゃ好きですよ。たぶん好きすぎて空回りしてます。だから、頭を撫でてあげる感じで行ってください」

「 …ってことは？」

安嶋「それはご自分で！」

キラっと笑った彼は

机の上にあったお店のアンケート用紙に

ササッと文字を書き

安嶋「いつでも相談乗りますよ、美女には弱いんで」

と、微笑みながら

伝票を持って帰ってしまった

アンケート用紙の裏には、インスタのIDが

そっと、そのアンケート用紙を

財布にしまったのは

誰にも言えない話になった

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