26話 ページ26
二宮「涼宮も何かあったらすぐに言って。対応は早いに越したことないから。」
貴方「はい。わかりました。」
まあ、私はメディアに取り上げられるようなことはないだろうし、きっと大丈夫。
二宮「あとさ、ずっと気になってたんだけど、涼宮って中途採用でしょ？ここに来る前は何してたの？」
それは、、、、、
二宮「もしかしてmine社の天才プログラマーSuzukaが失踪したのとなんか関係ある？」
貴方「、、、、、はい。」
二宮「やっぱり。ソースコード見たら、そうかなと思ってさ。」
わかる人にはわかるんだ。
二宮「それに情報理工学部卒業したぐらいであんなセンスがいいプログラム書けないだろ。」
貴方「黙っていて申し訳ありませんでした。」
二宮「なにかあったの？」
社長には話してもいいかな。
貴方「私が入社して3年目の時、個人データを盗むプログラムを書けって言われたんです。」
二宮「は？それって？」
貴方「はい。詐欺に使う用のアプリです。今までは普通の実用性アプリを作ってたんですが、急に言われて。」
それまでは楽しかったのにな。
二宮「天才プログラマーが能力を利用されることはよくある話だから。」
貴方「私は、人を不幸にするプログラムなんて書きたくなかったんです。だから、断ったんですが、会社の命令だって言われて、会社を辞めると言ったら、そんなのは認めないと言われました。」
二宮「ひどい話だな。それで失踪したと。」
貴方「はい。もともと秘書検定は持っていたので、こちらの中途に応募して、入社しました。」
二宮「なるほど。」
失踪したってことは世間に知られちゃってるんだよね。そこが誤算。
二宮「安心して。mine社には口外しない。」
貴方「ありがとうございます。」
二宮「とはいってもお前が秘書の仕事しかしないのももったいないしな。あ、そうだ。アプリ作ってよ。」
え？アプリ？
貴方「それは第一ネットに異動ということですか？」
二宮「そうじゃなくて仕事の合間に一人で。だめ？」
だめじゃないけど。
二宮「プログラミング、好きなんだろ？秘書の仕事してる時よりも楽しそうな顔してる。」
確かにプログラミングは大好きだ。
世の中の人のためになるようなものを作れるんだから。
でも、
貴方「そんなことしたら、見つかるリスクが高くなっちゃいます。」
二宮「大丈夫。そこらへんはちゃんと考えてるから。あ、企画はちゃんと出して。いくらすばらしいアプリでも需要がなかったら、意味ないから。」
貴方「はい。」
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作者名：りりか | 作成日時：2020年6月16日 14時
