雪男の紅一点は黄色の彼女

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暫く2人でAのスマホを覗き込みながら夏服を見ていると順番にメイクさんに呼ばれて入れ替わり立ち替わり楽屋をメンバーが出入りするようになってきた。



深「照次メイクだって」

照「わかった。A、メイクしてくるから少し待ってて」

『やだ(首を振る)』

深「大丈夫、早く戻ってくるよ」

『(泣きそうになりながら更に抱きつく)』



ふっかもどうにか離そうと声をかけるも最初よりも強めの力で抱きついてくるため余計に離れづらくなってしまった。


一緒にメイクさんの所に行ってもいいけど、メイクしてる時には膝の上に乗せられないし前の現場でメイクをしてもらっているAはメイクの必要がないので、このご時世も考えて出来れば楽屋にいてもらいたい。


皆んなも少し頭を抱えていると、メイクさんの方が気を利かせてくれて最小限のメイク道具を持ってきてくれて楽屋でメイクをする事になった。


メイク「Aちゃん少し横にズレてもらってもいいかな？」

『ん』



あんなに離れるのが嫌がって俺の膝を陣取っていたのに、親しいメイクさんに少しズレるように言われると驚くほどすんなり離れてしまった。

あれだけ離れたがらなかっただけに少しムッとしつつも、離れてもなお俺の左腕にもたれ掛かり落ち着いている姿を見ると可愛くて仕方がなかったりもする。


その後は撮影も順調に進み2人揃ってこれが最後の仕事だったため帰り支度をして、車に乗って家に帰った。

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