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「ほんでなぁ、その後シゲが、、、」
病院に着いてから約2時間。
未だのんちゃんは、目も合わせず、言葉も発さない。
唯一変わったことといえば、座っている体勢に疲れたのか、仰向けで布団に潜り込んだことくらいだろうか。
布団の端から覗かせている目元からは、相変わらず涙がゆっくりと流れている。
桃「、、、っ、、、ぅ、、、んっ、、、」
「みんなでツッコんでんけどな、わかっとらんくて、、、」
聞いているかはわからないけれど、俺にできることはこれくらいかと思い、ゆっくりと最近の出来事を話し続けていた。
途中、LINEの返信をしたり、立ち上がって外を眺めてみたり。
ふと時計を見て、そろそろ面会時間の終わりも近いし、帰らななぁと思いつつ、話の区切りを探っていると、もぞ、と布団が動いた気がした。
「？、のんちゃん、、、？」
しばらく観察していると、もぞもぞと布団を動かしていたらしいのんちゃんの左手が、彼の顔の横からゆっくりと差し出された。
先程まで天井の一点を見つめていたその綺麗な瞳は、自身の左手に向けられている。
今なら、今なら彼の注意を引けるかもしれない。
暗いところで、ひとりで彷徨っている彼の心を、明るい世界に。
咄嗟に、差し出された左手を両手で包み込んだ。
その手は布団の中で温められていたけれど、なんだか冷え切っている気がした。
「のんちゃんっ、、、」
左手を見つめる瞳が、ゆっくりと動いて、
ついに、俺を捉えた。
「、、〜っ、、のんちゃん、俺、おるよ。もう泣かんでええんよ。」
急すぎて、思っていたことの半分も伝えられなかったけれど、精一杯、気持ちを込めてその瞳に語りかけた。
すると、数秒間見つめ合った後、彼は、安心したようにゆっくりとその瞼を下ろした。
しばらくして、すー、すー、という規則正しい呼吸音が聞こえてきた。
その目からはもう、雫が落ちることはなかった。
「1ヶ月と2週間」 fin.
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ぱる(プロフ) - このお話が大好きで、何度も読み返しています。描写が細やかで、胸がギュッとなったり温かくなったり、メンバーと一緒にのんちゃんを見守っている気持ちになります。笑これからも楽しみにしています！！ (3月7日 23時) (
レス) @page25 id: b150b2b268 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 続編ありがとうございます！！これからもお話読むの楽しみにしています！！何回も読み返します！！ (1月18日 12時) (レス) @page3 id: e4a60325cd (このIDを非表示/違反報告)
Sugar(プロフ) - 続編を書いて頂き、本当にありがとうございます。メンバーの声の掛け方や寄り添い方がそれぞれ違くて、いつも感動しています。無理せず作者様のペースで更新して頂いたら嬉しいです！ (1月18日 7時) (レス) id: f22ab67b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ricoco | 作成日時：2024年1月18日 0時
