8ヶ月と1週間 ページ20
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橙side
「のぞむー？起きとるかー？」
緑「のんちゃん、来たで〜」
小瀧宅の玄関前。
インターホンを押したのに、それには出ず。家の中から物音が聞こえたから、中にいることは確実だった。
思わずドアの外からふたりしてまあまあな声量で声をかけると、それを上回る声量で、もうちょい待っとってー！と元気なお返事。
大きな寝坊ではなさそうだ。
しばらくドアの前でもんちと話していると、バタバタと足音が聞こえてきて、慌てたようにガチャとドアが開かれた。
桃「ごめん！お待たせ！」
緑「ええよ。おはよ、のんちゃん。」
「っしゃ、行くか！」
少し申し訳なさそうに目尻をいつもより垂れさせている彼を安心させようと笑顔を向けると、俺らを照らす暖かい陽のようにくしゃっと笑った。
＊＊＊
桃「なーなー、音楽かけてええ？」
車に乗り込み少し進んだところで、後部座席から身を乗り出して子どものような声をあげる望。
緑「ええで、のんちゃん好きなんかけて」
運転手のもんちの許可を得ると、ニコニコ、というよりはニヤニヤしながらBluetoothを繋げ始めた。
今日は、前々から予定していた3人でのドライブ。
前々から予定していた、とはいえ大それたものではなく、ちょっとそこまでという程度。
身を切るような寒さの季節の終わりが近づき、やっと暖かくなってきたから、少し遠出をして散歩でもしようかと話していたのだ。
「天気ええなぁ、今日にして正解やったね。」
助手席から運転席に向かって話しかけると、もんちは前を向いたまま柔らかい顔で、せやね、と頷いた。
その時、流れてきた聞き覚えのありすぎる曲。
思わず声を上げて笑ってしまった。
「おまっ、1曲目『ええじゃないか』って、どういうセンスやねん！笑」
バックミラーの中にいたのは、半分照れつつもいたずらっ子のような顔で笑う彼。
桃「ええやろ！名曲やん！」
隣でもんちもふふっと笑みを零す。
それを見てさらに楽しそうな顔をする末っ子。
それからもWEST.の曲ばかり流すから、その度に色々な思い出が蘇ってきて3人で語り合う。
誰よりも楽しそうに澱みなく話して、ときどき遠い目で窓の外を見やる望を見て、こちらも少し感傷に浸った。
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ぱる(プロフ) - このお話が大好きで、何度も読み返しています。描写が細やかで、胸がギュッとなったり温かくなったり、メンバーと一緒にのんちゃんを見守っている気持ちになります。笑これからも楽しみにしています！！ (3月7日 23時) (
レス) @page25 id: b150b2b268 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 続編ありがとうございます！！これからもお話読むの楽しみにしています！！何回も読み返します！！ (1月18日 12時) (レス) @page3 id: e4a60325cd (このIDを非表示/違反報告)
Sugar(プロフ) - 続編を書いて頂き、本当にありがとうございます。メンバーの声の掛け方や寄り添い方がそれぞれ違くて、いつも感動しています。無理せず作者様のペースで更新して頂いたら嬉しいです！ (1月18日 7時) (レス) id: f22ab67b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ricoco | 作成日時：2024年1月18日 0時
