. ページ12
.
「っこたき、、わかるか、」
慌てて涙を飲み込んで、鼻声を隠すように咳払いをしながら問いかける。
桃「、、はぁ、、、わか、る、、、
はぁ、、、ふぅ、、、」
目をつぶって何度か深呼吸を繰り返した彼は、改めてこちらを見あげた。
「、、落ち着いた？」
桃「、、おん、ありがとう、、、、」
その言葉を合図に、深呼吸の間もふわふわと撫でていた小瀧の頭を膝からそっと降ろした。
やはり、夢と現実の狭間にいたようで、先程までのうわ言も、会話も覚えていないらしい。
正直、ほっとした。
自分の言動も、小瀧に負い目を感じさせるのも、怖かったから。
「もっかい寝るか？疲れとるやろ。」
桃「んー、、、ねる、」
脳内のごちゃごちゃをリセットするように一度頭を降って、肩まで布団をかけてやる。
俺はどうしようかと考えていると、早くも眠たそうな目をした小瀧が口を開いた。
桃「なぁ、しげ。
俺、ようわかってへんし、覚えてへんのやけど。
、、、、ごめんって、聞こえた気がする。」
その言葉に、急速に頭が回り出す。
、、、、あかん、なんて答えたらええんや。嘘つくのは、ちゃうか。せやけど、、
桃「俺も、」
考えあぐねて黙っていると、またも口を開いたのは小瀧のほうだった。
桃「俺も、よく、ごめんって言ってまうねんけど。
でも、みんな、謝らんでええって、誰も悪くないって、言ってくれるやろ。
やから、その、、、しげも悪ないで。」
純粋な目で、真面目な顔で伝えてくれた彼は、俺の何十倍も強くて、優しい。
さっきまでのごちゃごちゃが、少しスッキリした気がして、でもなんだかちょっと悔しくて。
「なんや、最年少。ええこと言うやんけ。」
なんて、目を逸らして。
桃「からかわんといてや。笑」
はにかんだ彼の表情にも救われて。
本当に、大切だ、って、心から思った。
遂に眠気の限界が来たのか、彼は小さく、おやすみ、とつぶやいて、あっという間に規則的な寝息を立て始める。
なんとなく、そこから動きたくなくて。
そのまましばらく、俺のごちゃごちゃを吹き飛ばす彼の寝顔をひとり眺めていた。
「2ヶ月と4週間」 fin.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 336人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱる(プロフ) - このお話が大好きで、何度も読み返しています。描写が細やかで、胸がギュッとなったり温かくなったり、メンバーと一緒にのんちゃんを見守っている気持ちになります。笑これからも楽しみにしています！！ (3月7日 23時) (
レス) @page25 id: b150b2b268 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 続編ありがとうございます！！これからもお話読むの楽しみにしています！！何回も読み返します！！ (1月18日 12時) (レス) @page3 id: e4a60325cd (このIDを非表示/違反報告)
Sugar(プロフ) - 続編を書いて頂き、本当にありがとうございます。メンバーの声の掛け方や寄り添い方がそれぞれ違くて、いつも感動しています。無理せず作者様のペースで更新して頂いたら嬉しいです！ (1月18日 7時) (レス) id: f22ab67b99 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ricoco | 作成日時：2024年1月18日 0時
