第18章 : 厳しい現実 ページ36
♡
「手越っ！！！！」
「っ、け、いちゃんっ、」
しばらくして病院に来てくれた慶ちゃんに思わず抱きつく。
「手越っ、まっすーのこと、ありがとうね。怖かったね。ありがとう、ありがとう」
慶ちゃんはそっと俺を抱きしめて、優しく慰めてくれた。
「まっすー、っ、死んじゃったらどうしよう... まっすーが、...」
「手越、そんなこと言わないで。まっすーならきっと大丈夫。今まっすーはすごく頑張ってるから。ずっと近くで見てた手越が一番分かってるでしょ？まっすーのこと、信じよう。ね？」
そう言った慶ちゃんも泣いていた。
「っ、先生！」
慶ちゃんの声に顔を上げれば、処置室から先生が出てきた。
「先生、増田は、っ？！」
「大変危険な状態でしたが、何とか一命は取り留めました。ただ、油断は出来ません。詳しくお話しますので、こちらに」
そう言って、いつものように部屋に案内された。
「増田は、どんな状態なんでしょうか？」
慶ちゃんが俺の代わりに冷静に対応してくれる。こういう時に本当に頼もしいリーダーだった。
「増田さんは今回、脳の血管からの出血が見られます。いわゆる脳出血で、この病気で一番恐れられている症状です」
それを聞いて、頭痛に悶えるまっすーを思い出す。
「普通の人よりも出血を止められないのがこの病気で、かなりの量の出血が脳を圧迫していました。嘔吐が止まらないのも脳出血の症状です」
「呼吸が、止まったのは...？」
「吐瀉物が喉に詰まり、気管を塞いでしまったためです。発見が遅ければ、手遅れだったでしょう」
近くにいなかったらと思うと怖くなった。
「それで、増田は、どうなるんでしょうか...？」
テゴマスのライブまで、もう1ヶ月を切っていた。そんな場合じゃないことは分かっているのに、希望が捨てられなかった。
「今は薬で出血は止まっています。ただ、出血で溜まった血が脳を圧迫している状態です。本来であれば、それを手術で取り除くのですが...」
先生は言葉を詰まらせる。
「じゃあ、早く取り除いてください...！」
そういうと、先生は首を振った。
「増田さんの場合、少しの出血が致命傷です。脳内の血管はかなり複雑で、手術中にまた出血が起こる可能性があります。次に同じようなことが起これば、確実に、命を落とします」
「そんな... じゃあ...」
「少しでも血小板の数を維持するよう投薬を行うとことしか、もう方法はありません」
その言葉に絶望した。
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みーぽん(プロフ) - かのさん» ありがとうございます（ ; ; ）最後までよろしくお願いします！ (2020年4月4日 0時) (
レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 小説でこんなに泣いたの始めてです(＞＜)最高の作品に出逢えました！ありがとうございます！！ (2020年4月4日 0時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - ましゅさん» ましゅさん、はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！-3-もぜひ、楽しんでいただけると幸いです(*´ω｀*)！よろしくお願いします♪ (2019年9月15日 20時) (レス) id: f6c349c01f (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 本当に毎回毎回感動するお話をありがとうございます！ミーポンさんの作品には感動させられっぱなしです！これからも更新楽しみにしています！ (2019年9月15日 18時) (レス) id: 2d564c1d47 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - こころさん» こころさん、はじめまして！大好きなんて、とっても嬉しいです(;o;)！更新、まだまだ頑張ります！ありがとうございます♪ (2019年9月8日 12時) (レス) id: f6c349c01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーぽん
| 作成日時：2019年8月31日 0時
