# 6-4 ページ29
▽
「みんな！！もうすぐだよ！！！」
頂上を目前に、小山がみんなに声を掛ける。
正直、もう体力は限界を超えていたけど
それでも支えてくれるみんながいたからここまで来た。
「まっすー、もうすぐだよ、頑張ろ！」
「うんっ、！」
手越が俺の脇に手を回して一緒に歩いてくれる。
一歩ずつ、一歩ずつ。
俺らはいつもそうやって歩いてきたんだ。
「はあ、っ！着いた！着いたよ、まっすー！」
手越の声に顔を上げれば、そこには見たことのないような景色が広がっていた。
遠くまで見える海と、鮮やかな夕日。
「すごい、っ...」
きっと、今までの俺が見るよりもずっと、この景色がありがたくて、感動していると思う。
"ああ、生きてるんだ"って、そう思った。
「すみません！着いて早々ですが、このまま歌に入ります！」
セットなんてない。音響もない。そんな場所で、地声と伴奏だけで歌うのは『生きろ』。
歌って本当に不思議で、さっきまでの不安とか、さっきまでのしんどさとか、全部忘れるぐらい気持ちは高ぶっていた。
"いいさ 懸命に誓った 仲間の絆を 道しるべに"
いつだって近くには大好きなメンバーがいて、いつだって大好きなみんなが会いに来てくれた。
"たとえ0からだって終わりじゃないさ
燃え尽きるまで 生きていく"
病気になって、苦しい想いをたくさんした。どうして上手くいかないんだろうって、たくさん悩んだ。
でも、生きてるだけでどうにでもなるし、生きてるだけで、それだけで幸せだと思う。
俺は大好きなメンバーと一人一人目を合わせて、最後まで全力で歌いきった。
「まっすー、っ！！！」
歌い終わってカットがかかった瞬間、今まで気力で立っていた身体が膝から崩れ落ちた。
でもそれはすごく安心したから。
身体を支えに来てくれた手越に思わず寄りかかって、俺はそのまま意識を手放した。
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未来(プロフ) - なんだか読んだ覚えあるな、と登山の内出血のところで気づいたのですが、ほんならまた来世でなっていうのと被ってるのですね！（そちらの方はこの前読んだんです！）素晴らしい作品ですね、いつのまにか泣いてます(笑) (2020年5月16日 2時) (
レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みーぽんさん» 了解です ！これからも頑張って下さい d(^_^o) (2020年4月4日 0時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - かのさん» ごめんなさい、単なる誤字です。笑 ご指摘ありがとうございました(^^) (2020年4月3日 23時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みません。 (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませてもらっています。気になる点があったので、コメントしました。 ＃3-5のお話で｢くつろいがせてもらっていたら、｣という表現があるのですが、｢くつろがせてもらっていたら、｣の表記の方が正しい気がします。私の知識不足だとしたらす (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーぽん
| 作成日時：2019年8月18日 1時
