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じゃぁ、なぜあたしが“織姫”かというと、
名前が“詩織”だから、織姫。
で、会えるのが年に１度だけだから、美和は“織姫と彦星”って呼ぶ。
とくに、七夕前後の季節になると、こうやってからかってくる。
.
あたしは、はるが好きだ。
だから嫌じゃないし、むしろうれしい。
だけど、本当の織姫と彦星は相思相愛。
あたしとはるは、全く違う。
あたしの一方的な片思いだ。
.
？「詩織。」
詩「わっ！！って…。なんだ、アキか。」
美「びっくりした(笑)彰人君じゃん、どしたぁ？？」
？「なんだってなんだよ。てか、びっくりすることでもねーだろ。」
.
コイツは、西田彰人。
はるの弟で、ものすごくクール。
…で、ドS。
あたしは“アキ”って呼んでる。
.
詩「まぁまぁ(笑)で、なに？」
彰「あぁ、やっぱいいわ」
.
あきらかに、なんかある。
.
詩「はぁ？なんで？？」
彰「知りたい？？」
詩「ぅ…うん！」
彰「じゃあ…ほらっ」
詩「ちょっ。わっ！なに？？」
.
アキはいきなり、ケータイを投げてきた。
.
詩「ひらきっぱじゃん！」
彰「いいから、耳にあてれば？」
.
冷たいなぁ…、相変わらず。
まぁ、慣れてるからいいけどさぁ。
.
詩「あのぉ…もしもぉーし…？」
？「お、詩織じゃんか！久しぶり！！」
詩「へっ…？はる…？？」
？「そーだけど(笑)？相変わらず元気だねー！」
詩「…ぁはは(苦笑)ありがと…」
.
睨むようにアキを見ると、めっちゃ笑っている。
あんのドSめ…。
どうやら、美和も事情を聞いたようで、ニヤニヤしている。
あいつら…、後でシメてやる(黒笑)
.
は「しおり〜！どーした〜っ？？」
.
あっ！はる！忘れてた！！
.
詩「なんでもないよー！」
は「ならいいけど…。あ、そうだ。」
詩「ん？なにっ？？」
は「詩織…。今年の七夕…空いてる？」
.
.
.
そうやって誘うはるの声が
少し切なく聞こえるのは、気のせいだろうか…――――――？
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作者名：恋奏 | 作成日時：2011年6月18日 2時
