いつかのその先は・・・ (ページ42)

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42. 正門Side ページ42

あのあと、メッセージのやりとりは復活して、ギクシャク期間は終わったんやけど、ちょっとだけモヤモヤはしてた。別にAを疑ってるわけやないけど・・・。

東京での仕事が終わって、最寄駅に着いて改札を出たところで男女二人が抱き合ってる現場に遭遇。

こんなとこでイチャイチャすんなよと思いながら現場を通り過ぎようとしたところで、俺は気づいてしまった。

女の方はAや！！男は誰なんやろ？

この前からAのこんな現場ばっかり見てるやん・・・(泣)

男の方は俺よりも背が高くて、イマドキの塩顔って感じで俳優やっててもおかしくないような・・・Aはこんな顔の男が好きなんかな？

そのまま通り過ぎることができなくて、Aに気づかれないように柱の陰に隠れて、スマホをいじってるフリして二人の会話を聞いた。

人通りが多いうえに酔っ払いの帰宅時間ということもあって駅はだいぶざわついてる。そこから聞こえてきたのは、「佐藤さん、僕と付き合ってください」と言う思いもよらぬフレーズやった。

え、A、告白されてるやん。ちゃんと断れよ？

彼氏でもないのにそんなことを願った。

A「その気持ちはありがたいんですけど、ごめんなさい。前も言ったと思うんですけど、私、好きな人がいるんです」

”前も”ってことは何度か告白されてるってことやんな？

男「そうなんだ・・・でもその好きな人とはまだ付き合ってないんだよね？だったら、僕にもまだチャンスはあるってことだよね？」

A「いや・・・それは・・・」

男に抱き寄せられてから見つめ合って・・・って、これもうそういう展開やん。

断るならちゃんと断れよ！と思ったのもつかの間、気づいたらAの右腕をつかんでた。

正門「こいつ、俺の女なんで。今後二度とこういうことせんとってください」

A「えっ・・・よし・・・くん・・・」

男「誰ですか？」

正門「A、行くで」

そのままAの腕を引っ張ってタクシー乗り場に向かった。

こんなことしたらあかんてことはわかってる。

わかってるけど、Aが俺以外の男といるところを見て我慢できへんかった。

...