13. 正門Side ページ13
あれからAさんが根掘り葉掘りバンドのことを聞いてくるから、最近あったことを全部話した。本当はAさんのことをもっともっと知りたいんやけど・・・
大晴がギャグして大滑りしたこと、こじけんがセリフめっちゃ噛んだこと、リチャくんが静かにボケてみんなで大爆笑したこと、晶哉が誠也くんにイタズラしてめっちゃキレられたこと・・・Aさんはメンバーに会ったこともないのに、全部笑って聞いてくれた。
A「みなさん個性豊かですね。羨ましいです。そういう仲間がいることが。大切にしなきゃですよ！」
正門「そうですよね。ラストチャンスやと思ってるんです」
A「本気で夢追いかけてるのは本当にステキなことだから、正門さんには夢叶えてほしいです」
正門「Aさんが応援してくれたら叶う気がします」
A「神様みたいに言ってくれるんですね。私にはそんな力ないですよ(笑)」
謙遜してるけど、Aさんは歩くパワースポットやと思う。
ほんまはこんなところで長時間もしゃべってたらあかんのやけど、気づいたら今日も2時間しゃべってた。たぶんAさんは俺がアイドルやってるって知らんから、いつか本当のこと話さなあかんよな。
正門「今日もたくさん話しましたね。もう遅いんで送りますよ」
A「いや、家すぐそこなんで大丈夫ですよ」
正門「いやいや、近いといえども何が起こるかわからないんで」
A「正門さん心配性ですね。もう、ホント大丈夫ですって！」
ちょっと粘ってみたけど頑なに断られた。まだ彼女やないけど、彼女を家に送り届けるとか憧れるやんかぁ。
正門「じゃあ、連絡先交換しましょ。家に着いたら絶対連絡してください。今日のとこはそれで」
A「最後がちょっとよくわかんないけど・・」
正門「はい、スマホ出して、このQR読み込んで」
半ば強制的に連絡先を交換した。交換したというより、一方的に俺の連絡先を登録させただけやから連絡が来ないと意味がないんやけども、我ながらよくやったと思う。
正門「じゃあ気をつけて帰ってください。家に着いたら絶対に連絡してくださいね」
A「正門さんお母さんみたいですね(笑)ちゃんと連絡します」
正門「よくオカンみたいって言われます(笑)じゃあまた会いましょね」
A「はい^^」
「バイバイ」と手を振りながら坂を登って行ったAさん、ほんまかわいかったな・・・。
「バイバイ」って・・・ファンサもらえたやん俺！！！！！！
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作者名：てぃん | 作成日時：2021年7月2日 0時
