〜人間なんか所詮裏切る生き物だろ？〜

第三十話 ページ33

鈴志野が転校してきて一週間が経った




鈴志野は俺に怯えることなく接してきた






瑠「ね！唯川くん！」


貴「なに？」


瑠「私、いつも思うんだけど、唯川くんってどことなく女の子みたいだね！」









貴「！」


・・・バレてねえよな？







でも男装を始めてから女子と疑われるのは幸村以来だ



気がつけば手塚がこちらを見ていた






貴「・・・はぁ。俺は男なんだけど」


いつも通りに答えたつもりだ






瑠「・・・。そうだよね！私ったら何考えてるんだろ〜」


そう笑いながら俺の所から離れた







それでも、手塚はまだ俺の事を見ている




貴「何？」


手「・・・いや、何でもない」


そう言い、手塚は俺から視線を外した









―手塚SIDE―




この間転校してきた鈴志野という女子





いつも唯川の所へ来ている









・・・何故だろう。何か嫌な予感がする






それに、鈴志野が何となく怪しく見える・・・







そして今日、鈴志野が唯川に驚くことを聞いてきた





瑠「私、いつも思うんだけど、唯川くんってどことなく女の子みたいだね！」


！




唯川は驚いた表情をしていた




だが、その表情には驚きだけではなく・・・









少し焦りの色が見えた









俺も前から思っていた・・・









・






・






・







・









唯川は本当は・・・男ではなく女なのではないかと・・・








最初から薄々気が付き始めてはいた








確かに、態度や格好、顔を見れば唯川は男に見えるだろう





だが、あいつの目は、男の目ではなかった




それと以前唯川が泣いた時があった


その泣いている姿も・・・あの時少しだけ見せた笑顔も・・・


とても男には見えなかった








しかし、もし唯川が女だとしたら、男装する理由はなんだ？



きっと何かしらの理由があってのことだろう




そして、きっとその事には触れてはいけない




瑠「・・・。そうだよね！私ったら何考えてるんだろ〜」


鈴志野は笑いながらその場を去った

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