可愛いあの人 (ページ24)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:48,076 hit

24 ページ24

in side

長ーい夏休みは、やっと8月へと突入して、約束の日はとうとう明日に迫った。

お盆は毎年じいちゃんの家へ行くけど、今年は受験だから！という理由で俺だけ断った。

だって、じいちゃん家に行ってる場合じゃないもん。

じいちゃんには悪いけど…

………よし、

〜♫

「…はい、」

「有岡さん！伊野尾です！！」

「…知ってる。で、なに？」

え、ちょっと不機嫌？

「どうしても声が聴きたくて…」

「………用がないなら切るわ」

「わあぁぁー！！待って待って！ありますあります……えっと…………明日！明日楽しみですね！！」

「………切るぞ？」

「ヤダヤダ待って！…明日は学校の友達と一緒に行きますね」

「うん…」

………

はぁ…なんかキュンとした。

今の"うん"にキュンとした。

「あ、明日△△駅のロータリーだからな」

「了解です。じゃあ……また明日。おやすみなさい」

「………おやすみ」

………はわぁぁ…

"おやすみ"だって。

有岡さんからおやすみいただきました。

もう興奮して眠れないかも…

有岡さんの声が耳に張り付いてキュンキュンするもん。

俺はしばらく枕を抱きしめて、ベッドの上でジタバタした。