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ar side
こんなことなら、知念の誘いを受けたらよかったかな…もしくはバイトでもしてた方がマシだったかも。
家に居ても特にやることが見つからなくて、マフラーをグルグル巻きにして外に出てみたけど、街はクリスマスムード一色で、俺には眩しかった。
当たり前だけど、幸せそうに笑うカップルもたくさんいた。
だけど愉快な音楽も、色鮮やかな飾りも、今の俺にとっては心躍るものではなかった。
少し前までは、クリスマスのことを考えてワクワクしていたはずなのに…
『大ちゃん?』
何か適当に食べるものを買って、もう家に帰ろう、そう考えていた時だった。
「…りょ…すけ」
名前を呼ばれて振り返ると、涼介が変わらない笑顔でそこに立っていた。
『久しぶりだね…って言ってもまだ2ヶ月も経ってないか、』
「…うん」
『えっと…1人?』
涼介は辺りをキョロキョロしながらそう言った。
「あ、うん…涼介は?」
『俺も。買い物でもしようかと思って』
「そうなんだ…」
やっぱりなんだか気まずい。
それも全部俺のせいなんだけどさ。
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作者名:Tea time | 作成日時:2021年10月13日 11時