3 ページ3
ar side
あの日、俺は1番大切な人を傷つけた。
他に好きな人ができた、という自分勝手な理由で。
だけど、頑張って忘れようとしても、"好き"っていう気持ちは全然消えてくれなかった。
会いたいっていう気持ちも抑えられなかった。
涼介のことは嫌いになったわけじゃない。
ただ、苦しいくらいにいのちゃんが俺の心を支配した。
いのちゃんに告白した時は、溢れる感情を止められなかった。
あの時はただ、自分の気持ちを伝えたかった。
それに関して、後悔はしていない。
だけど……
いのちゃんと俺は付き合ってはいない。
以前と変わらず、バイト仲間で気の合う友達っていう関係だと思う。
いや、俺の心情的には友達以上、恋人未満と表現した方が正しいのかもしれない。
涼介はあの時、俺に幸せになれって言ってくれたけど、俺1人が幸せになるなんてできない。
それに、いのちゃんに自分の気持ちを伝えることができただけでも良かったと思っている。
いのちゃんだって本当は、こんな俺のことなんて恋人にしたいなんて思っていないはず。
恋人のことを傷つけるような奴を、自分の恋人にしたい人なんていないはずだから。
いのちゃんとはこのまま…このまま曖昧な関係が続けばいいって思ってた。
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tea time | 作成日時:2021年10月13日 11時