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in side
………
………
沈黙を破ったのは大ちゃんだった。
「いのちゃんはもう…キス……したくないの？」
「え⁈ごめん……そういうんじゃなくて…」
大ちゃんが、今にも泣きそうな顔で見つめてきて、慌てて返事した。
「やっぱり付き合うなら、可愛い女の子の方がいいもんね…」
「ち、ちがうよ、っ、…」
女の子がいいとか、そんなの全然違うのに。
俺が好きになったのは、大ちゃんなんだもん。
「なんか、俺ばっかり好きが増えてくみたい…」
え………
「大ちゃん…俺が好きなのは大ちゃんだけだよ…」
「……いいよ、別に…無理しなくても、」
「無理なんてしてない……してない…けど……」
「………」
「大ちゃんに………嫌われたく、なくて…」
「…………え？えと、どういう…」
だって、前みたいにキスに夢中になっちゃいそうだし。
そしたら大ちゃんに嫌われちゃう。
それに、大ちゃんと手繋いだだけでなんか……変な気分になってくるし…
そんな風になっちゃうのはきっと、俺だけでしょ？
『慧ー！ごはんできたわよー』
ドアの向こうから母さんの呼ばれて、なんとなくギクシャクした雰囲気のまま、大ちゃんと一緒にごはんを食べた。
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作者名：Tea time
| 作成日時：2021年9月14日 16時
