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あのあと大ちゃんはいつもの大ちゃんで、買い物もすごく楽しかった。
友達と買い物するなんて、今まで俺の人生には無縁な話だったし、ましてや大ちゃんとは友達以上っていうか…
それに、いつも制服姿の大ちゃんしか見てないから、今日はすごく新鮮で…
こうやって1つずつ新しい大ちゃんを知っていくのって、嬉しくてたまらない。
.
時間はあっという間に過ぎ去って、空がオレンジ色に輝いていた。
「この時間になってくると、急に寒いね」
両手をポケットに突っ込んで、ぷるぷるしている大ちゃんと駅に向かって歩いた。
「ねぇ、大ちゃん」
「ん?」
「手……繋いでも、いい?」
「っ、え⁈手?」
「うん……昨日デートについて調べたんだけど、手を繋いだりするんでしょ?」
前に山田くんと知 念くんもそんなこと言ってたし。
でも、大ちゃんはあんまりそういうのはしたくないのかなぁ…
キスだって、あの日以来していない。
「えーっと……」
大ちゃんは辺りをキョロキョロしはじめた。
「見えなければいい?」
大ちゃんの手を取って、自分のコートのポケットに突っ込んだ。
日が暮れるのなんてこの時期早いし、暗くなったら何も見えないでしょ?
「あ…うん、」
大ちゃんの顔が真っ赤に見えたのは、夕日に照らされてるせいかな?
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作者名:Tea time | 作成日時:2021年9月14日 16時