* ページ39
ar side
「んふっ、…ん……は…ぁ……」
「大ちゃんがさっき食べたカレーの味がする」
「いのちゃんも一緒に食べただろ」
「ははっ、そうだっけ?」
「だから、俺のせいじゃないからな」
「本当そういうところ細かいよねぇ、大ちゃん」
「俺のせいにされたくないだけだし」
「今日の大ちゃんはカレー味」
「だから違うってば!」
「ははっ、」
隣で楽しそうにケラケラ笑ういのちゃんの腕を、パシパシと叩いた。
あれからもう10年、、
俺たち2人にとっての普通は、変わらず続いている。
あの日薮くんにキスを見られてから、メンバーや他の人たちには気付かれないところでキスをするようになった。
そのせいか、薮くんからまた何かを言われるようなことはなくなった。
「どうする?明日一緒の仕事だし、泊まってく?」
「あー、…ちょっと待って」
ポケットから取り出したスマホを確認すると、30分前にメールが届いていた。
「まだあの人と続いてんの?」
「んー、まぁね」
特に別れる理由だって見つからないし、、
「ごめん、やっぱり帰るわ」
「分かった」
「じゃあ、また明日仕事で」
「はいはぁい、…あ、帰ったらまず歯磨きした方がいいんじゃない?大ちゃんカレー味になってるから」
「だっ、、もうだからそれはいのちゃんもだろ!」
「ははっ、、あ、ちょっともう一回確認してみるわ」
「はあぁ?」
いのちゃんに腕を引かれて抱き寄せられると、チュッと軽めのキスが降ってきた。
「やっぱりカレー味!」
「ばぁか、」
玄関でそんなくだらないやり取りをしたあと、いのちゃんの部屋を後にした。
171人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tea time | 作成日時:2021年3月15日 18時