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「んふっ、…ん……は…ぁ……」










「大ちゃんがさっき食べたカレーの味がする」












「いのちゃんも一緒に食べただろ」











「ははっ、そうだっけ?」












「だから、俺のせいじゃないからな」












「本当そういうところ細かいよねぇ、大ちゃん」












「俺のせいにされたくないだけだし」











「今日の大ちゃんはカレー味」












「だから違うってば!」









「ははっ、」





隣で楽しそうにケラケラ笑ういのちゃんの腕を、パシパシと叩いた。








あれからもう10年、、







俺たち2人にとっての普通は、変わらず続いている。










あの日薮くんにキスを見られてから、メンバーや他の人たちには気付かれないところでキスをするようになった。




そのせいか、薮くんからまた何かを言われるようなことはなくなった。









「どうする?明日一緒の仕事だし、泊まってく?」












「あー、…ちょっと待って」





ポケットから取り出したスマホを確認すると、30分前にメールが届いていた。











「まだあの人と続いてんの?」












「んー、まぁね」




特に別れる理由だって見つからないし、、











「ごめん、やっぱり帰るわ」











「分かった」











「じゃあ、また明日仕事で」












「はいはぁい、…あ、帰ったらまず歯磨きした方がいいんじゃない?大ちゃんカレー味になってるから」














「だっ、、もうだからそれはいのちゃんもだろ!」












「ははっ、、あ、ちょっともう一回確認してみるわ」











「はあぁ?」







いのちゃんに腕を引かれて抱き寄せられると、チュッと軽めのキスが降ってきた。












「やっぱりカレー味!」













「ばぁか、」











玄関でそんなくだらないやり取りをしたあと、いのちゃんの部屋を後にした。

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作者名:Tea time | 作成日時:2021年3月15日 18時

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