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ar side
キラキラして見える鍵を、いのちゃん家の鍵穴にそっと挿し込んだ。
ゆっくり回すとカチャッと音がして、鍵が開いたことを俺に知らせてくれた。
たったそれだけのことなのに、心がなぜか踊った。
ドアを開けて中に入ると、いのちゃんの部屋の匂いがしてすごくすごく落ち着いた。
ずっとこの匂いに包まれていたい…
そんな感覚。
靴も脱がずに玄関で目を閉じて、息をいっぱい吸い込んだ。
………
はぁ、、
「いつまでそこにいる気なの？」
「え、あ、、ごめん」
リビングの方からいのちゃんが出てきて、クスクス笑っていた。
急いで靴を脱いで、いのちゃんの方へ歩いていくと、
「大ちゃんが鍵使いたいって言うから、待ってたんだよ？」
なんて言って、いのちゃんはまた笑ってた。
「ごめんて…なんか感動しちゃって」
「もぉ、大袈裟だよ」
だって嬉しかったんだもん。
いのちゃんが鍵をくれたあの日のことは絶対に忘れないと思う。
「あ、そうだ…コレ」
俺の家の合鍵をいのちゃんに渡すと、垂れ目がもっと垂れた。
「ありがと、大ちゃん。なんか、、嬉しいね」
「でしょ？」
嬉しいことを共感できるのって、やっぱりいいな。
胸の真ん中がほわっと温かくなる気がする。
「今度、お揃いのキーリングでも買いに行く？」
「あっ、それいいかも！」
2人並んで笑い合いながら、リビングの扉を開けた。
end
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作者名：Tea time
| 作成日時：2021年3月15日 18時
