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ar side



『大貴、ちょっと買い物行ってきて』


あの日、夕食の準備をしている母ちゃんから、突然買い物に行けと頼まれた。



一度は断ってみたものの、

『あれがないと作れないから!』

とキレられた。




渋々家を出た俺はスーパーへと向かった。



夏も終わりに差し掛かり、夜は少し肌寒くなってきていた。




風がぴゅうっと吹くと、遠くの方の潮の匂いも一緒に運んできた。




なんとなく遠回りしたくなって、海へ向かった。




街灯は少ないけど、満月が煌々と照らしてくれているおかげで明るかった。





海岸沿いの広場から海を眺めると、真っ暗な海は月の光でキラキラと輝いていた。



久しぶりに来たかもしれないな…





子供の頃はこの海でよく泳いだっけ。


潮の匂いをいっぱい吸い込みながら歩いていると、潮風に乗って1枚のしおりがヒラヒラと俺の前に落ちてきた。





ゆっくりと拾い上げると、階段の方からパタパタと人が上がってくる足音が聞こえてきた。





あの人の物なのかな…




「コレ…探してます?」





「あ、は…はい。ありがとうございます…」





しおりをかざして話しかけると、制服を着た男子高校生が近づいてきた。



「あれ?俺と同じ高校だ…」



よく見たら俺と同じ制服着てるじゃん。


なんか急に親近感湧いてきたんだけど。





「え、、そう…ですか」






「俺1年なんですけど、同じ?かな…」




「…1年……です」



彼は俯いたまま、なんとなく気まずそうに返事をしてきた。






「マジ⁈でも、会ったことないよね?クラス離れてんのかな?」





前髪で隠れてて顔がよく分かんないけど、1年にこんな人いたかなぁ…



何組なんだろ…







「あの……しおり…」






「あ、ごめんごめん。はい」




ヤバい、ぼーっとしちゃったよ。




「どうも……」




彼の方へしおりを差し出した瞬間、潮風がビュッと吹いて彼の前髪をさらった。






「え……」







月の光を浴びた彼は本当に綺麗で、一瞬時が止まったかと思った。



凛としたその表情が、まるで空に輝く月のようだった。







「あの、ありがとう、、ございました」




慌てて髪を直した彼は、俺の手から奪うようにしおりを持って行ってしまった。






「待って…」



俺の呼びかけなんて、まるで聞こえていないかのように。





なんでこんなに動悸がするんだろ…





潮風が冷たいせい?









それとも…

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Tea time(プロフ) - 0415さん» はじめまして。感想ありがとうございます (2021年1月10日 18時) (レス) id: 6bab8075cd (このIDを非表示/違反報告)
0415(プロフ) - Tea timeさま、はじめまして。太陽と青い月とても面白いです!続きも楽しみにしています〜(*´▽`*) (2021年1月10日 17時) (レス) id: ea10255acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tea time | 作成日時:2021年1月7日 15時

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