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ar side
"いのちゃん……会いたい"
つい勢いであんなことを言ってしまった。
"待ってて"
そう言われたあと、切れてしまった電話。
いったいあれから何分経ったんだろうか。
いのちゃんに会って何を言えばいいんだろう。
そんなことをグルグル考えていると、インターホンがいのちゃんの到着を知らせた。
ドアを開けると本当に寝起きなんだろう…
髪をセットしていないいのちゃんが立っていた。
「あ…おは、よ」
「うん、おはよ。入っても…いい？」
「あ、うん。どうぞどうぞ」
いのちゃんにスリッパを渡して、リビングまで案内した。
「ここに来るのって、久しぶり…だよ、ね？」
「…うん、そうだね」
えっと…
どうしよ、
なんだか落ち着かない…
自分から呼びつけたくせに、何から話していいのか…
「あのね、大ちゃん」
「……え？」
「俺さ…最近よく大ちゃんの夢をみるの」
「……う、、うん…」
「俺と大ちゃんは恋人同士でね……」
「………」
「お互いのことを想い合ってるの…」
いのちゃんが俺のことをまっすぐ見つめていて、それだけでもう、なんだかよく分からない涙が溢れてきた。
「でもね……時々、大ちゃんが苦しそうに泣くんだよね…」
「…っ、…」
「たとえ夢の中だとしても、大ちゃんが泣いてるのを見るのは辛い…」
いのちゃん……
ねぇ、…
本当なの？
本当の本当に……
「さっきも……泣いてた？」
いのちゃんの長い指がそっと俺の頬に触れた。
「ごめんね、…やっと大ちゃんが泣いてた理由が分かるなんて……」
指先から伝わるいのちゃんの体温に、俺の目頭はさらに熱くなった。
「ううん……いのちゃんは悪くないよ…」
ごめんね、俺いのちゃんの前で泣いてばっかりだ。
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Tea time(プロフ) - 奈々さん» 感想ありがとうございます (2021年1月2日 19時) (
レス) id: 6bab8075cd (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - お疲れ様でした！ とっても面白かったです、！ (2020年12月12日 13時) (レス) id: 153e514372 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - このお話、ドキドキして大好きです！ (2020年12月9日 10時) (レス) id: 153e514372 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tea time
| 作成日時：2020年12月3日 19時
