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何度目かのアラームで目が覚めた。










この瞬間が1番嫌いだ。


俺に現実を突きつけてくるこの瞬間。



一気に現実に引き戻される瞬間。








ずっと夢の中にいたかった。








ずっといのちゃんの恋人でいたかった。














現実なんてただただ辛いだけだもん…







報われない恋をした俺が悪いんだけど。










そんな憂鬱な気分をかき消すように、豪快に顔を洗った。





そのおかげで、さっきよりも思考回路はしっかりとしてきた。









たとえ報われなくても、ずっとそばにいられればそれでいいと決めたのは俺自身。








一生恋愛対象として見られなくても、一生同じメンバー、一生親友というポジションでいられるのならそれでいいと…











そんな風に現実世界で気持ちを押し込めているせいか、夢の中ではいのちゃんに甘えてばかり。







だけど、そんな我儘な俺でも"好きだよ"とか"可愛い"って言ってくれる。










だから、なんとなく心のバランスは取れているのかもしれない。










昨日も夢の中では、いのちゃんに甘えっぱなしだった___
















「どうしたの?大ちゃん」












「……ギュッて、、してほしい」





隣に座るいのちゃんの手を握り、少し垂れ目な優しい瞳を見つめた。








テレビの収録中だけど、そんなの関係ない。








だってこれは夢の中なんだもん。


どんなことしたって平気。



何も問題ないでしょ?









「大ちゃん、本番中だよ?」


いのちゃんは少し驚いた顔をした。








「いいの…どうせ夢なんだから」


夢の中くらい、自分に素直でいたい。









「ふふっ、変な大ちゃん」







そう言いながらも、いのちゃんは俺のことを優しく包み込んでくれた。










メンバーも司会者も、それからスタッフの人たちもみんな騒いでるけど、俺には聞こえない。









いのちゃんの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ俺は、2人だけの世界に入り込んでしまうんだから。

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Tea time(プロフ) - 奈々さん» 感想ありがとうございます (2021年1月2日 19時) (レス) id: 6bab8075cd (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - お疲れ様でした! とっても面白かったです、! (2020年12月12日 13時) (レス) id: 153e514372 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - このお話、ドキドキして大好きです! (2020年12月9日 10時) (レス) id: 153e514372 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tea time | 作成日時:2020年12月3日 19時

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