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CASE.51 ページ8

side.you



「うわ、修羅場・・・」



三日という日はあっという間で私は毎晩アーサーさんに呼び出され俗にいうレクチャーを叩き込まれた。



彼の教えはまさにアメとムチがよく効いている。



褒められては怒られ、褒められては怒られての繰り返し。
終盤はもう褒めることもめんどくさくなったのか怒られるだけだったなと記憶している。




そんな彼の教えのもと、私は美術館近くの茂みにこそこそと身を隠しながら警察たちの様子を伺っていた。



ここまで身を隠せるのも私が女だかららしい。




「早くいつもの日常に帰ろう・・・」



無理に決まってんだろ、とあの怪盗の顔が浮かんではぶん殴る。
想像までもあの怪盗は私を小馬鹿にしているようだ。




こんなことを考える時点で随分冷静でいられるなと感心しつつ、私はついに茂みからでた。



もちろん、『変装』して。




********




「お疲れ様です」



「ん?どちら様で?」



じろりと感じの悪い態度。



私は事務服、いかにも受付嬢のような格好で
裏口—―非常口を守っている警官にできるだけ笑顔で話しかける。




怪盗は男だ、と認識が広がっていることを利用してこんな大胆なことをしている。
これはアーサーさんのおかげだ。





「私、ここの美術館の秘書をやっているものです。
実は館長から内密にこれを頼まれていまして、お届けしたいので通してくれませんか?」




私は懐から金属製の『鍵』を取り出す。
警官は顔をしかめながら意味が分からないといった表情だ。



「これは館内の、怪盗が目的とするものが置いてある部屋の鍵です」



「そんなことがあるか、聞いていないぞ」




当たり前の反応。もちろん嘘だが、これだけの手札じゃない。



「そうですね。大事な部屋の鍵を持っているのが女でしかも秘書が持ってるなんて誰も思わないでしょう。ですが、それが答えです」




「なんのことだ」





「あなたの反応が、ですよ。
貴方もありえないと思ったではないですか。怪盗といえど中身は一般人に過ぎませんしね」




う、と今度はそちらが詰まる番だった。



「あぁ、連絡はしないでください。内密とのことですから」




「・・・」




それだけ言うと渋々といった表情で非常口の扉を開けてくれた。



第一関門は突破のようだ。



というか内密と言っているのにあなたに話すわけないじゃないか。




心の中で舌を出しながら、非常口の奥の暗い廊下を早足で駆け抜けた。

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抹茶塩(プロフ) - みらーど@アニヲタさん» コメントありがとうございます!かなり自分のペースで書いております!続きかけるよう頑張りますのでお待ち頂けたら幸いです(><)改めてありがとうございました! (2018年11月4日 23時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
みらーど@アニヲタ - 続き気になる (2018年11月4日 13時) (レス) id: c4ab0bab4e (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - 光希さん» 光希さん、コメントありがとうございます。失踪気味にも関わらずこういった暖かいコメントを頂けるのはとても励みになります。次更新する時は一気にできると思うので、お待ち頂けると幸いです(´∀`)改めてありがとうございました! (2018年10月10日 15時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです!!続きが公開されるのを楽しみにしています!お体に気をつけて頑張ってくださいね!応援しています! (2018年10月7日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:抹茶塩 | 作成日時:2018年8月18日 16時

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