生徒会長様は探偵様でもあり怪盗様でもある 2 【APH】：イギリス

CASE.48 ページ5

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月が明るい夜。


今日はアーサーさんに呼ばれてアジトに行かないといけない。


こんな気持ちで作戦に集中できるのか。



というか今度の狙いが美術館だということも知らなかった。


相変わらず自分勝手。


目立たないように着替えて夜に溶け込むようにアジトに向かう。
随分慣れたなと苦笑いしながらアーサーさんの元に向かった。



＊＊＊＊



｢え、アーサーさん今なんと？｣



｢だから今度の作戦、俺はでない｣



｢いやいや、何言ってるんですか！？｣



アジト着いて、さて作戦かと思ったらそんな理不尽な言葉を投げつけた。



今日は怪盗らしい衣装ではなく、カッターシャツにズボンとシンプルな服装(ちゃっかり仮面は付けているが)



只でさえ今日は心身がまいってるのになんで追い打ちをかけられないといけなんだろう。



｢どうしてもでれない｣



｢そんな・・・｣



今回はアメリカ君とイギリス君と知り合いだらけで不安でしょうがないと言うのに。



なんでこんな時に限って！



しかし、私の怒りは口から出ることなくお腹の真ん中辺りで沸騰の鍋ごとく溜まっていた。



｢でれない理由は何ですか？それくらい答えて貰えますよね？｣



｢・・・｣



無言。


夜の静寂には合っているが今は求めていない。



｢賭けだ｣


｢賭け、ですか？｣



｢俺が、俺で居られるかの賭け｣



いや、意味がわかりません。



この人にいつも振り回される。


雲を掴ませてくれるような。でも期待して落とす。
そんな上手な逃げ方。



｢お前が怒るのも分かる。
だけど、頼む。・・・一人でやれるって信じてる｣



｢アーサーさん・・・｣



彼とは長い時を過ごしてきた訳じゃないけど何か理由がある。




ここで突き放すのが正解なんだろう、本当は。



でも今の自分はどうだ。


華やかな制服を脱ぎ捨て、黒い目立たない服でそれでも作戦を聞こうとしている自分がいる。




もう手遅れなんだ、色々と。




｢・・・わかりました。
だけど死にそうになったらすぐに引きますから｣



｢あぁ｣



ありがとうくらい言えよ



そんな強く出られる訳もなく



私はアーサーさんと次の作戦の話を始めるのだった。

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