検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:4,707 hit

CASE.47 ページ4

side.you



胸が痛い。


いや、悔しいとか悲しい感情が埋まっているわけじゃない。


アーサーさんのやっていることは無駄じゃないと思ったけ瞬間、嬉しいくらいに胸が痛いんだ。




「・・・」



イギリス君は何も言わずに、アメリカ君を見つめる。
いつも喧嘩腰の会話が多い二人が真剣に考えてる。



「俺だって・・・っ、」



「イギリス君?」



何か言葉を発したように思えたが、気のせいかな。
唇を痛いくらいに噛んでいる。
彼は今何を思っているのか、そして何に苦しんでいるのかなんて


その時の私には分からなかった。



「・・・わかった」



「本当かい!?」



「男に二言はねぇ」



「そうかい!じゃ、また連絡するよ!」



さっきとはまるで逆方向なテンション。
もはや私もポカンとするばかりで私を置いてスキップをしながら生徒会室を出ていってしまった。




「もう、アメリカ君ったら」



はぁと一つため息をついたあと、私は隅にやっていた問題を中心に持ってくる。



(まてよ・・・
次はイギリス君もいるってことは)



敵。



その文字がぐんと頭を支配する。



そうだ。



今は生徒会長と生徒。



しかし夜になれば他称会長探偵と怪盗。



(イギリス君が敵になる・・・)




いつかはそうなる日がくるんじゃないかと思っていた。


だけどその時間は唐突で肯定する元気もない。



もし、怪盗に手を貸しているとしったら彼はどんな反応を示すんだろう。



軽蔑、呆れ、怒り。


様々感情を私にぶつけてくるのかもしれない。




「あ、あのイギリス君」



「・・・何だ」



少し間を置いての反応。


それすらも今は怖い。



「その、あの、がんばって」



ようやく言えたのはそんな友達同士の形。


違う、違う、こんなことを言いたいんじゃない。



イギリス君は黙ったままだ。



「もう、行くね」



「A・・・!」



逃げるように部屋から出ていこうと思ったが、彼の手がそれを許さない。



力強く、弱々しく握られた手首。
こんな時に限って引き留めないでと言えたら。




「俺は、守る」



「え?」




「俺が守るから、悲しそうな顔するな」



守る。


アーサーさんに攫われた時のことを言ってるのか。


そう言ったイギリス君の顔の方が何倍も悲しそうに見えた。



「・・・うん」



守ってもらう資格すらないのに私は頷く。



彼の優しさが嘘つきの私には心地よく感じるほどにそれと同じくらい罪悪感も襲った。

CASE.48→←CASE.46



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
設定タグ:APH , ヘタリア , イギリス
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

抹茶塩(プロフ) - みらーど@アニヲタさん» コメントありがとうございます!かなり自分のペースで書いております!続きかけるよう頑張りますのでお待ち頂けたら幸いです(><)改めてありがとうございました! (2018年11月4日 23時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
みらーど@アニヲタ - 続き気になる (2018年11月4日 13時) (レス) id: c4ab0bab4e (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - 光希さん» 光希さん、コメントありがとうございます。失踪気味にも関わらずこういった暖かいコメントを頂けるのはとても励みになります。次更新する時は一気にできると思うので、お待ち頂けると幸いです(´∀`)改めてありがとうございました! (2018年10月10日 15時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです!!続きが公開されるのを楽しみにしています!お体に気をつけて頑張ってくださいね!応援しています! (2018年10月7日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:抹茶塩 | 作成日時:2018年8月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。