彼を落とすための攻略本：イギリス 【APH】

妖精の花嫁 2 ページ46

no.side





｢お、おい引っ張んなよ｣




｢どうしたのみんな？｣




妖精達は二人をテーブルより少し前に立たせる。




《えーとなんだっけ・・・》




《もう、しょうがないわね！》




一人の妖精が詰まるのを考えてもう一人の妖精が指揮を執る。




《ごほん・・・
イギリス。汝はすこやかなる時もAを、励まし、困難な時も、幸せな時も、悲しい時も、死が二人をわかつときまで、愛し、慈しむことを誓いますか？》




｢へぇ！？｣




Aは変な声をあげる。




当たり前だ。

これはイギリスで言う結婚式の誓いだからだ。




動揺するAの横で




イギリスは冷静な態度だった。





｢・・・・・・あぁ、誓う｣





｢イギリスさん！？｣





その冷静な態度から紡がれた言葉は誓いの肯定。




当然Aの動揺は増すばかり。





《それではここにサインを》




もう一人の妖精さんがナプキンに書いたのか





『こんいんとどけ』





という字にイギリスはさらさらも迷いもなくナプキンに名前を記入する。





｢私の誓いは無視ですか!?｣




｢馬鹿、花嫁は微笑むだけでいいんだよ｣




微笑むという表現に




Aは状況に飲まれニコリと一応微笑んだ。




サインはイギリスに急に手を捕まれ無理矢理かかせられた。





《それでは誓のキスを》





言われたとたんベールを上にたくし上げられ




唇が塞がれる。





それは結婚式には似つかわしくない




激しくて、深い深い口付け。




Aの息はスグにあがる。




｢おいおい、花嫁様。
結婚式でいやらしい顔しないでくれよ｣




ニヨニヨと笑うイギリスにAの体温は上がっていく。





が、同時に涙が零れる。





｢そんなに嫌か｣




｢違います、嬉しくて｣





例えこれが偽りの儀式だとしても何も変わらない。






｢花嫁様、俺はお前を離す気はない。
せいぜい俺に愛されとけよ｣









誰もしらない結婚式。


これは互いの認知である契約。



この妖精の結婚式を知っているのは



Aとイギリス。

そして観客の妖精達。



２人はこの時


世界中の誰よりも幸せでいた。

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