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夢の中で ページ29

真っ白な世界で視界がぼやける。




身体が宙に浮かんでいる感じで




どことなく頭がフワフワする。




あぁ、これは夢だ





「久しいな」




誰?




いや聞いたことのある声だ。



光の奥で声が聞こえる。




「どうやらあの本を使ってくれたようだね」




何を、使う。




「ふふふ・・・
忘れたとは言わせない」




すると光の先から見覚えのある本が出てきた。



誰なの?





「私?
そうか自己紹介がまだだったな」





すると光は急に輝きを失い段々と人の形が作り出されていく。




そして一瞬眩しくなり人が現れた。





赤い服に王様パンツからのびる白いタイツ。




頭には王冠を付けている。




背中には鮮やかな蝶の羽が。




少年にも見えるが、どうにも貫禄を感じる。




おとぎ話から出てきたかのよう。






《私は妖精王オベロン。
お前の行動はずっと見させてもらった》





オベロン?




それよりその本を返して。




それがないと、




《だが、やはりお前のやる事は生温い。
こんな本なんかよりもっと効率がいい代物がある》





いい物・・・。




するとオベロンと名乗る男は手の中から小瓶を出現させた。




まるで魔法だ。




《これはね、『浮気草』の汁から作ったものだ。
これを想い人の瞼(まぶた)に塗ってごらん。
そしたら最初に見た人を好きになる》




それを塗れば、私のことも?





《無論だ》



・・・。



《何故戸惑う?
あの本を取っても大きな変化はあったか。
想い人と思い合う中になったのか?》




でも、それは卑怯になる。





《卑怯?笑わせる。
あの本を使った時点でお前は卑怯な奴だ》




それは・・・。




《さぁ、心配することはない》




やっぱり嫌だ。





《何故?》





それはイギリスさんを想う私を裏切ることになる。




《・・・》




だからいらない。

その攻略本もいらない。




《なんとも面白い娘だ。
この私自ら手を尽くすことになるとは》





え?




すると意識が急に飛んだ。



夢なのに。




夢・・・なのに。









────深夜


Aはゆっくりベッドから降りる。




アメジストの瞳がギラギラと光る。




「さぁ、淫靡な夜にしようじゃないか」



弧を描くような笑顔



彼女の足取りは想い人の元へ




オペラ座の夜は少女の手に握られる。

声は届かない→←ゆめごこち 2



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抹茶塩(プロフ) - 夢々煙さん» 夢々煙様、コメントありがとうございます!イギリスはちょっとカッコよすぎたかもなと今更ながら思っておりますw最後まで読んでくれてありがとうございました(*⌒▽⌒*) (2017年12月19日 12時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
夢々煙(プロフ) - 最後までとても素敵なお話でした…!イギリスの一言一言がカッコよ過ぎました。これからも頑張ってください応援してます (2017年12月19日 7時) (レス) id: b3413670f5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ちまごんさん» ちまごん様、コメントありがとうございます!感動して頂けるなんてとても嬉しいです^^*シリーズ化ぜひ期待していてください!最後まで読んでくださってありがとうございました!次の作品も楽しみにしていてください(´∀`) (2017年12月18日 0時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
ちまごん(プロフ) - やばいめっちゃ素敵だ、感動した…!シリーズ化期待していいですか…いいですよね…! (2017年12月17日 22時) (レス) id: 31ff02926d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ぽっぷこーんさん» ぽっぷこーん様、コメントありがとうございます!最後のシーンを気に入ってくださり光栄です(*^^*)また次のお話やこのシリーズをぜひ楽しんで頂けたら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました(´∀`) (2017年12月17日 10時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:抹茶塩 | 作成日時:2017年12月7日 11時

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