彼を落とすための攻略本：イギリス 【APH】

▼近状報告はこまめに ページ20

side. you




｢それで
今度デートに行くんです！｣



いつしかのフランスのカフェテリア。




私は上機嫌になりながら


フランスに近状報告をしていた。


｢そっか、それはよかった
Aちゃんもやればできるじゃん｣




ぱちとウィンクを決めるフランス。


様になっているのがものすごく癪だ。




そんなことを考えながら


カフェモカを飲んでいると


後ろから背中を軽く押された。




｢何やら面白そうな話をしてるわね｣




綺麗な楊梅色の髪をなびかせたその人物は

嬉しそうに弾んだ声を上げている。





｢ハンガリーさん！｣




ヒラヒラと手を軽く振り挨拶しているのは


数少ない女の子の友人、ハンガリーさんだった。




｢あれ、ハンガリー来てたの？｣




｢今日はたまたま。
どちらかというとプライベートに近いの｣




フランスと短い会話を終え、空いているもう一つの席についた。




目線はあからさまにこっちを見ている。





｢それより・・・
さっきデートって単語が聞こえてきたんだけどなぁ｣





聞かれているなら言い逃れはできないだろう。




｢デートと言いたいところなんですけど、私が勝手にそう言ってるだけなんです｣





苦笑いをしているとハンガリーさんは首を降った。




｢男と女が出かける時点で
それはデートよ！｣



｢うん、お兄さんもそう思うよ｣




2人に肯定されては否定しにくい。




｢誰と・・・って聞いたい所だけど
それは野暮だから辞めておくわ｣




｢へぇ、珍しいねぇ。
ハンガリーはそういう所グイグイ聞くタイプなのに｣





するとハンガリーさんは得意げにふふんと鼻をならす。




｢思いっきり冷やかすのは
Aちゃんとくっついてからに決まってるでしょ｣




あぁ、そういう魂胆か。



ぶれないなぁと考えていると

ハンガリーさんは何か思いついたのか


私の手を掴んだ。





｢ねぇ、Aちゃん。そのデートいつ？｣




｢え？
えーと、１週間後の夕方6時からですけど｣





するとガッツポーズをするハンガリーさん。






｢その日Aちゃんの家にお邪魔して私と
リヒテンちゃんで綺麗に着飾ってあげる！｣





いいアイディアだと言わんばかりに

テンションが上がっているハンガリーさん。





フランスに助けを求めると


諦めなよ、と言った哀れな目線だけだった。







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