ココロの距離 (ページ13)

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in side

「好き…いのちゃんのこと、、好きなの」

大ちゃんは今、俺の目の前で瞳を潤ませながら、俺を好きだと言っている。

俺の目と耳と脳に異常がなければ、そういうことになる。

「へ？…えっと、、」

「ごめん、いのちゃん」

だけど、申し訳なさそうに頭を下げて謝る大ちゃん。

えっと…これは何のごめんなんだろう…

なんか、もう混乱してきた…

「えっ？あの…」

「俺もいのちゃんが好きなの。だから本当は、あの時すごく嬉しくて…信じられないくらい嬉しくて…」

大ちゃんの大きな瞳から涙がこぼれ落ちる。

泣かないで、大ちゃん…

大ちゃんが泣くと俺も苦しくなる。

そっと手を伸ばして涙を拭う。

「だけど、怖くなった。……いつか終わりがくる関係よりも、ずっと一緒にいられる今の関係のほうがいいって、、そう思った」

「うん、」

「でも俺、自分のことしか考えてなくて…いのちゃんの気持ち無視してた」

拭いても拭いても溢れ出てくる大ちゃんの涙。

それを見てるだけで、大ちゃんの気持ちが伝わってくる。

「そんなことないよ…」

自分のパジャマの袖で、大ちゃんの涙を拭う。

「大ちゃんはいつも、自分のことよりも相手のことを先に考えちゃうでしょ。だから…本当は俺のためだったんじゃないの？」

「そんなこと…」

「何年大ちゃんと一緒にいると思ってるの？それくらい分かるよ」

「いのちゃん…」

大ちゃんから止めどなく溢れる涙は、全部俺の胸で受け止めた。

そして、抱きしめて改めて感じる…大ちゃんのこと、大好きだって。