Connection ページ10
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潤「緩い上りだな。」
和「翔さんの考えは当たらず……か。」
翔･雅紀と分かれ
左側の通路を進む和也と潤
右へとｶｰﾌﾞするその通路は緩い上り
左右で角度が違うという事は
通路が円形ではなく
螺旋状になっている事を意味する
つまり
このまま進んでも
翔や雅紀と会える可能性は
限りなくｾﾞﾛに近いのだ
和「でも上りって事は地上に近付いてるんだし、やっぱりｱﾀﾘかな？」
潤「そうとは限らないだろ。大切な物程、遠くに隠したくなるもんだし。」
和「たしかにそうですな(苦笑)」
辺りの気配から殺気を感じる事もなく
2人はのんびりと進んで行く
部屋の入口らしきﾄﾞｱもなく
分かれている所すらない
ただ長く続く白い通路
それにもそろそろ飽きてきた
そんな風に和也が思っていた時だった
外側を歩いていた潤が急に銃を構え
一気に緊張感が増す
和「何かいました？」
潤「いや。でもこの先に部屋がある。」
和「部屋？」
潤「まだニノの場所からは見えないかもしれないけど、通路の右側の壁に、半分開いたﾄﾞｱがある。」
潤の言葉を聞いて
和也の表情が一瞬にして真剣なものへと変わる
潤の後ろに移動し少し先を見ると
そこには確かにｽﾗｲﾄﾞ式のﾄﾞｱがあり
中から青白い光が漏れていた
和「入ります？」
潤「素通り…ってわけにもいかないしな。」
和「よし、決まり。」
2人は目を見合わせ頷き
静かにﾄﾞｱの脇へと移る
そして一度軽く深呼吸をすると
潤はｽﾗｲﾄﾞ式のﾄﾞｱを蹴り開け
銃を室内へ向けた
しかしすぐにそれを下ろす
潤「誰もいねぇわ。」
和「あらら。ちょっと気合い入れたのに。」
ゆっくり室内へと進む潤に続き
和也も足を踏み入れる
和「これ、何？」
潤「さぁ？でも趣味がいいとは思わない。」
和「同感です(苦笑)」
小さな入口には不釣り合いな程大きな部屋
左右の壁際には大小様々な形の水槽が置かれている
しかし中には何も入っていない
そして入口の真正面にはﾃﾞｽｸ
そこにはﾊﾟｿｺﾝが置かれていた
和「ちょっと弄っちゃいましょうかね。」
潤「大丈夫？」
和「んふふ。」
潤の問い掛けに和也は笑顔を見せ
ﾎﾟｹｯﾄからUSBを取り出した
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作者名：風 | 作成日時：2012年10月19日 21時
